軽のエンジンを共通化もアリ? スズキ・ダイハツ協業に新提案! 協調・競争でもっと身近な軽を目指せ
新提案! 軽のエンジンを共通化することはメリットといえる!
一方、ハイブリッドモデルと言うとスズキは2003年に「ツインハイブリッド」、ダイハツは2005年に「ハイゼットカーゴハイブリッド」を発売していますが、660ccエンジンにモーターを上乗せしていることからコストの問題がクリアにならず、主流になることはありませんでした。
現在、スズキはその教訓を活かしてマイルドハイブリッドを主要モデルで展開中ですが、将来的には次の一手が求められています。「価格を維持しながら電動化をどのように進めるのか?」、筆者は以前、同業の先輩からこのようなことを聞かれたことがありました。
「シンヤ、お前ワゴンRとムーヴ、どっちのエンジンが気持ち良いお思う?」、筆者は「どちらも似たり寄ったりですね」と答えました。
すると、「それならばエンジンは協調領域で軽自動車用のエンジンを共同開発、浮いたリソースやお金を競争領域(=シャシ)に使ったほうがユーザーのためになる思う」と。
その言葉を現代流に進化させるとこんな感じになります。
現在、軽自動車は660ccのNAもしくはターボですが、ダウンサイジングしたエンジン(何なら360cc)とモーターの組み合わせで660ccターボ相当のパフォーマンスを備えた1モーターのハイブリッドシステムをスズキ/ダイハツで共同開発。
出力の上限は決まっているのでエンジンに無理させる必要もないうえに、モーターは小型化/バッテリーは小容量でも問題なし。
開発費は半分、台数は2倍なのでコスト的にも有利に働き、その結果、価格アップも最小限に抑えつつ、電動化もおこなえるのではないかと。
これならラスト1マイルだけでなく、赤帽などの軽物流をはじめとする長距離走行にも対応できると思います。
これは完全に筆者の妄想話に過ぎませんが、せっかくの協業、それくらいの大胆な戦略を用いた大改革を期待したいところです。

ちなみにまったくの余談ですが、トヨタの豊田社長ではなくモリゾウさんとしての好きな軽自動車は「2シーターのミッドシップ エンジンカー」だそうです。
てっきりホンダ「S660」だと思ったら大間違いで、その答えは「軽トラック」でした。
ピュア、手の内感、運転する実感など、何ともモリゾウさんらしいなと。
CJPはまだ発足したばかりですが、スズキ/ダイハツが加わったことで、トラックから軽自動車までカバーする、強い連合体になったといえるでしょう。
自動車業界の「チームジャパン」、目標はもちろんカーボンニュートラルの実現ですが、今回の協業でどのような化学変化が生まれるのか。今後の動向にも注目したいと思っています。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。


























