ボルボ「XC60」はなぜ心落ち着く? 長距離ドライブで感じたその理由

2017年にフルモデルチェンジして2代目へと進化したボルボのミドルSUV「XC60」。日本だけでなく世界中で人気モデルとなり、2021年上半期にはボルボ販売のおよそ3台に1台がXC60だといいます。なぜ、XC60はこんなにも人気なのでしょうか。九州をロングドライブして、その魅力を探りました。

今回のドライブテーマは「九州・神社巡り」

 久しぶりに届いた編集部Nさんからのメッセージは「ボルボで九州をドライブしましょう。テーマは神社巡りです」というものでした。

 九州といえば、邪馬台国伝説も残る(諸説あります)ほど古代から伝わる物語が豊富で、立派な由緒を誇る神社が多数存在しています。私も神社仏閣はキライではないというか、どちらかといえば好きなほうなので、Nさんの口車、ではなくお誘いに乗ることにしました。

 福岡に到着した私たち“くるまのニュース取材班”を待ち受けていたのは、ボルボ「XC60 B6 AWD R-デザイン」。

ボルボ「XC60」
ボルボ「XC60」

 XC60は、グローバルな販売台数が2021年上半期だけで11万台を超えた大ヒット作。同時期、ボルボ車全体で約38万台を販売したので、世界中で売れるボルボの3台に1台がXC60といっても過言ではないほど、同社にとっては重要なモデルです。

 ところで、自動車の電動化が騒がれている昨今ですが、ボルボはなんと昨2020年のうちに電動化を完了していて、すべてのボルボがEV、PHEV、マイルドハイブリッドのいずれかとなっています。試乗車のXC60 B6 AWD R-デザインはマイルドハイブリッドで、これは立派に電動車の仲間です。

 最近よく耳にするマイルドハイブリッドですが、その言葉どおり、利き方がマイルドなハイブリッドです。

 一般的なハイブリッドはストロングハイブリッドとも呼ばれ、バッテリーやモーターの電圧は200Vを超えますが、ボルボのマイルドハイブリッドは48V。このためストロングハイブリッドのように電気の力だけで走ることはできませんが、モーターは最大で40Nmのトルクを発揮。これだけの力があると、市街地での加速でぐぐっと後ろから押されるような力強さが感じられます。

 ちなみに最近マイルドハイブリッドが流行っているのは、この「ぐぐっ」と押される力強さを活用してエンジンの負担を軽減し、加速時の排出ガス排出量を減らすのがおもな目的です。

 最新のヨーロッパの排出ガス規制は、以前と違ってこの「ぐぐっ」と加速する領域まで計測するようになったので、モーターの助けを借りてエンジン負荷を減らすことで排出ガス規制をクリアしているのです。

大分県・湯布院と由布岳を結ぶ県道216号線「やまなみハイウェイ」を走る
大分県・湯布院と由布岳を結ぶ県道216号線「やまなみハイウェイ」を走る

 XC60 B6は、このマイルドハイブリッドに加えて電動スーパーチャージャーまで装備。これは、皆さんご存じのターボチャージャーを排出ガスに加えて電気モーターでも回すもので、低回転域でも素早い加速が可能になります。

 XC60 B6の場合、トータルの最高出力はなんと300ps、最大トルクは420Nmと、スポーツカー並みのパフォーマンスを誇ります。

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