日産「スカイラインGT-R」が新車並みに復活? 古いクルマを大切にする各社の公認レストアサービスとは

海外メーカーのように日本のメーカーでも、自動車メーカー公認のレストアサービスがおこなわれるようになりました。メーカー公認のレストアとは、どのようなサービスなのでしょうか。

あの名車が新車みたいになる? メーカー公認のレストアサービスとは

 製造から長い年月が経過したクルマを修理するときに、「レストア」という作業がおこなわれることがあります。
 
 レストアとは、クルマのさまざまな部品を交換し、外観も含めクルマを新車のように甦らせる作業のことです。
 
 最近では、国産メーカーが続々とレストアサービスやリフレッシュを展開していますが、どのようなものがあるのでしょうか。

スカイラインGT-R(R32、R33、R34)のレストアビジネス、「NISMO restored car」を開始
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 部品を交換するといっても、一部のパーツを交換するだけではなく、エンジンやトランスミッションのオーバーホール、サスペンションの交換、シートの張り替え、ボディ・シャシの修復までおこなう場合があります。

 また、内部の部品交換だけではなく、ボディ表面の再塗装といった、外観の修理もおこなわれます。

 旧車のパーツは、製造から長い年月が経過しています。そのため、メーカーから正規の部品が供給されていないことが多く、旧車を得意とする修理工場によって、中古の部品などを用いてレストアがおこなわれることが一般的とされています。

 そんなレストアサービスは、従来ではおもに海外でおこなわれていました。

 例えばポルシェの場合、販売終了から10年経過したモデルを「ポルシェ クラシック」と区分しています。

 ポルシェは、1950年代に販売されたモデルでも純正パーツを普通に供給しているほど、ポルシェ クラシックのレストアに力を入れており、純正パーツの強力な供給体制が、ポルシェのレストアの強みです。

 このように、ポルシェは旧車に乗り続けられるサポート体制を、長年に渡って継続してきました。

 そのため、ポルシェ クラシックを乗り続けるオーナーが多く、車両の価値が下がらないという好循環が生まれています。

 日本でも中古の部品などを使用せずにメンテナンスをおこない、安心して旧車に乗り続けられるように、メーカー公認のレストアサービスが提供されるようになりました。そのなかで、代表的な例をいくつか紹介します。

 ●日産「スカイラインGT-R」

 ニスモ(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社)は、「スカイラインGT-R(R32、R33、R34)」のレストアを開始することを2020年12月4日に発表しました。

 このレストアサービスは、新車当時の性能を復活させるために、性能を可視化したレストアをおこなう点がGT-Rのレストアの特徴です。

 レストアの作業内容は、まずボディを完全分解し、経年劣化を徹底的に調査します。

 そして、ゴムブッシュ、サスペンションアームを交換し、ミリ単位の調整をおこないます。

 塗装は完全にボディの鉄板がむき出しになるまで剥がし、新車と同じ塗装用プールに沈め、電着塗装を実施。

 さらに、エンジン、トランスミッションは、全パーツを分解しオーバーホールをおこないます。

 完成検査を、ニスモのテストドライバーもしくはプロドライバーが確認してからユーザーに納車されます。

 ●マツダ「ロードスター」

 マツダでおこなわれている、「ロードスター」のレストアサービスの特徴は、厳正な審査を通過した車体のみレストアを受け付けている点です。

 車体にサビがある、純正品以外のパーツが取り付けられている、車体に溶接修理の跡があるといったクルマの場合は、レストアを受け付けていません。

 レストア作業は、マツダ広島本社内のマツダE&Tでおこなわれ、まずガラスやライト、エンジンなどすべてのパーツを取り外します。

 そして、エンジンを分解し、オーバーホールをおこない、ボディの塗装は手作業で剥がし、再度塗り直します。

 その後、新品のサスペンション、ディスクブレーキを取り付け、オーバーホールをおこなったエンジンを取り付けます。

 レストア車両の完成検査は、新車同様の水準で実施。このような徹底したレストアをおこなったうえで、ユーザーの元に納品されます。

 ●ホンダ「NSX」

 前述のGT-Rやロードサービスと異なるのが、ホンダ「NSX」です。

 ホンダでは、レストアに似たサービスとして「NSXリフレッシュプラン」を1993年から展開しています。

 特徴は、初代NSXに精通した技術者が、ノウハウと情熱を注ぎ込みメンテナンスをおこなうもので、純正以外のパーツが装着されていても、車検対応のパーツであれば純正品に戻すことを条件に、サービスを受け付けている点です。

 さらに、ボディのフレーム修正まで対応しているため、修理歴がある車体でも可能である点も、大きな特徴といえます。

 作業は、栃木県の本田技研工業内のリフレッシュセンターでおこわれます。

 基本メニューは、ドア周りの部品交換・調整、ガラスなどドア以外の開口部の部品交換、ライト類の一式交換、エアコン一式交換です。

 さらに、パーツをすべて取り外し再塗装、エンジンのオーバーホール、内装部品の新品交換をおこない、新車同等の状態に復元することも可能です。

 完了後は、新車時にNSXがテスト走行をおこなっていたテストコースで走行検査を実施してからユーザーの元に納車されます。

※ ※ ※

 ポルシェのように長く愛車に乗り続けることができるサポートが、日本メーカーでも継続して提供されることを望むオーナーは多いでしょう。

 日本メーカーでは、前述のロードスター、NSX、スカイラインGT-Rのように、メーカー公認のレストアサービスやリフレッシュサービスが提供されています。

 また、このようなサービスだけではなく、すでに生産終了となったモデルの純正部品の再販売なども徐々に増えており、古いクルマを長く乗るというクルマ好きに寄り添ったサービスだといます。

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4件のコメント

  1. お金があればまた乗りたいです!

  2. フルレストア5000万だって聞いた…。ある程度は富裕層向けで仕方ないとは言え、新車の10倍か…。

  3. 昔の車しか価値のない会社、それが日産

  4. フランスの植民地だからね。仕方ないね。

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