え? 車が爆発? 米国・独立記念日の夜に車の盗難防止アラームが鳴り響く理由とは
ペットの命にも関わる? アメリカならではの花火騒動とは?
「おうち花火」といってもアメリカ人の花火はけた違いのスケールです。なんせ年に1度しか許されていないのですから、線香花火などチマチマした手持ち花火で納得するはずもないでしょう。
2021年の7月4日以降、アメリカに住む複数の友人が、SNSに花火の動画をあげていましたが、それらはいずれも「え?これ、道路でやっているの?」「クルマに火の粉がバンバン降りかかっているけど大丈夫なの?」と非常に衝撃的な映像でした。
また、花火の打ち上げと共にカーセキュリティのアラームがあちこちで鳴り響いています。
動画をあげていたアメリカ在住の友人数名にたずねたところ、「花火の振動でアラームが誤作動して鳴っている」とのことでした。
花火が打ちあがるときの「ドドーン!」「ババーン!」という音の衝撃はカーセキュリティがアラームを出すほどのパワーなのだそうです。
また、家の窓ガラスも大きく振動させてしまうためホームセキュリティの「ガラス破損」を感知して家のセキュリティシステムに影響することもあるといい、アメリカ在住のA氏は次のように話しています。
「花火そのものの音、そして花火による誤報アラームは犯罪のカモフラージュになりますね。普段でも車上荒らしや、宅配便の盗難が多い地域です。
今は独立記念日の休暇で旅行に出掛けている人も多いですからアラームが鳴っても『花火による誤報でしょ』と周囲が犯罪に気づかない場合もあるでしょう」
また、さらに驚くことに、ペットの命にまでかかわる衝撃になるといいます。
「家のなかにいてもスゴイ音と振動なので、ペットがショック死することもあるんです。
だからペットを飼っている家庭は事前に獣医さんからペット用の睡眠薬を処方してもらいます。
花火が始まる前に、早く寝せておくことが大切なので。人間だってびっくりする衝撃ですよ。今年はとくに凄かったです」(A氏)
ところで、花火の音でカーセキュリティが誤作動するなんてことは日本でもあるのでしょうか。
カーセキュリティのプロショップ「A2M」は次のように話しています。
「アメリカブランドのカーセキュリティはそもそも誤作動、アラームの誤報が多いのですが、尺玉など大きな花火が上がる近くにあるクルマなら日本製のセキュリティでも100%作動してしまいます。
アメリカブランドなら個人が楽しむレベルの打ち上げ花火でも振動を感知して多くがアラームを出してしまうのでしょう」
ちなみに、州や市のルールにも寄りますが基本、アメリカでの打ち上げ花火はほぼすべて「違法」とのことです。
警察も分かっていながら、「年に一度のお祭り」と見て見ぬふりをしているケースもあるようです。
※ ※ ※
しかし、2021年6月末に起こった花火に関するとんでもない違法行為はさすがに見逃すわけにはいかなかったようです。
日本のメディアでも報道されましたが、6月30日にロサンゼルス市警察(LAPD)はカリフォルニア州ロサンゼルスの住宅で違法に保管されていた2300kgもの独立記念日用の花火を発見。
警察が爆発物処理専用車両のなかで処理しようとしたところ、この花火が大爆発し車両ごと吹き飛びました。
花火とはいえ2300kgもあればとてつもない爆発力となるのでしょう。不幸中の幸いで死者は出なかったものの、警察官など少なくとも17人が負傷し、周囲のクルマや建物などにも被害が及んだようです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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