なぜマフラーから「水」が出る? 気温が低くなると水量が多くなる理由とは
マフラーからポタポタと垂れる水の正体はいったいどのようなものなのでしょうか。時にはダラダラーッと大量に水を撒きながら走るクルマを目にすることもあって他人事ながら心配になったりもしますよね。そんな心配のもと、マフラーから出る水の正体に迫ります。
排気ガスを外へ出すだけじゃない! マフラーの重要な役割とは……
クルマのマフラーから水がポタポタ垂れることがあります。
なかには、ポタポタだけでなくダラダラーッと大量に水を撒きながら走るクルマを目にすると、他人事ながら心配になりますが、マフラーから出る水の正体とは、どのようなものなのでしょうか。
マフラーとは、クルマの車体下に装着されている排気パイプのことで、エンジンに直接つなげられ、車両の最後端まである大きな部品です。
マフラー自体は、1本のパイプでできているのではなく、数種類の部品の組み合わせで作られています。(部品の組み合わせは、NA車とターボ車で異なります)
主な役割は、エンジンから排出される排気ガスを外へ出すことですが、ほかにも3つの重要な役割があります。
ひとつめはが、排気ガス中の有害物質の浄化。マフラーには、燃焼ガスに含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物といった人体や環境に有害な物質を浄化する役割があります。
有害物質の発散を防止する装置が装着されていない場合は、排ガス規制に該当し、車検に通りません。
ふたつ目は、排気音を消音させる効果です。そもそも「マフラー」という言葉は、「muffle(音を消す)」がもとになっており、エンジンから放出される大音量の排気音を軽減するという役割があります。
そのため、素材にもグラスウールや仕切り版など消音効果の高いものが使われるのです。
マフラーから排出される音量については、国土交通省が定める道路運送車両法で厳しく定められています。
普通乗用車の場合、96dB(デシベル)以下、軽自動車は97dB以下となっており、これを超えると車検に通りません。
そして、3つ目の役割は、排気効率の向上です。排気効率は、マフラーの径や長さを変えることで調整でき、エンジン出力やトルクもマフラーの仕様によって変わり、出力特性にも影響を与えます。
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ところで、パワフルでいかにも速そうなクルマでは何本もマフラーを付けていると、「うるさいクルマだ!」と眉をひそめる人もいるかと思いますが、実はそれは間違いです。
マフラーの本数を増やすことは、消音装置を増やすということ。つまり、消音効果が高くなり、出す音は小さくなっています。
とくに排気量の大きい車の場合、マフラー1本だけでは十分な消音効果が得られないため、複数本のマフラーで対応しています。(最近ではデザイン上でのダミーで付けられることもあります)
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