なぜマフラーから「水」が出る? 気温が低くなると水量が多くなる理由とは
慌てなくてOK! マフラーから水がしたたっても故障じゃありません
クルマのエンジンは、空気を吸入して燃料を混ぜ合わせ、シリンダー内で燃焼させて運動エネルギーを得るという働きをしています。
その際の燃料が原油から精製されるガソリンや軽油であると、酸素と水素が結合することで水が出ます。
つまり、マフラーから出ている水の正体は、ガソリンが燃焼するときに発生する水ということです。
それがマフラーから外に出ているということなのですが、もう少し詳しく説明していきましょう。
ガソリンの代表成分であるオクタンは、化学記号では「C8H18」(※8、18は下付き数字)と表されます。
このCとは炭素、Hは水素を示しており、それが空気中の酸素O2(※2は下付き数字)と一緒になって燃焼すると、二酸化炭素CO2(※2は下付き数字)と水蒸気H2O(※2は下付き数字)が排出されるのです。
そして、この水蒸気が排気ガスよりも低い外気温によって凝結して水になり、マフラーから垂れてくるというわけです。
通常ならば、走っているうちに排気ガスとともに水蒸気や水となって排出されるものですが、短い距離を乗るだけだと、マフラーの内部に水分がたまってしまい、高速道路などで急に加速すると、それが勢いで吹き出すということになります。
また、ガソリンタンクに入れる水抜き剤は、マフラーから垂れる水を防ぐものではなく、タンクの腐食防止などが目的なため、燃料タンクに溜まった水を燃料と混ぜて一緒に燃えやすくするものなので、厳密にいうと排気ガス中の水分は増えてマフラーから水が垂れやすくなります。
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今後、世界的に脱炭素社会の方向に向かっていくことを考えると、EV化が加速し、電気モーターを動力源とする車両にはマフラーも不要になります。
近い将来には、「マフラーから水を流すクルマ」というのは、懐かしい風景のひとつになりそうですが、実は水素を燃料として電気をつくる「燃料電池車(FCV)」は、発電と同時に水が排出されます。
今回のマフラーとは異なりますが、水を出しながら走るクルマはエンジン車以外にもあるということです。
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