底値? いま手に入れたいボンドカーを過激にしたジャジャ馬BMW「Z3Mロードスター」とは

「Z3M」を手に入れるなら今しかない!

 シルバーストーン・オークション「THE MAY SALE 2021」に出品されたBMW Z3Mロードスターは、デビュー翌年にあたる2000年に生産された1台。右ハンドルのイギリス仕様車である。

 Mロードスターとそのクーペ版「Mクーペ」といえば、イメージカラーだった深めのブルーメタリック「エストリル・ブルー」が連想される方が多いだろうが、この個体はE36系M3前期のイメージカラーとされた「ダカール・イエロー」が、とても華やかな印象を醸し出している。

 インテリアはスマートなブラックの本革レザーで、エアコンやシートヒーターなどの純正オプションが新車として生産された当初から装備されている。

●300万円台の今なら、まだリーズナブル

BMWのオープンカーとしてはスマッシュヒットとなった「Z3」のMバージョンとなる「Z3Mロードスター」
BMWのオープンカーとしてはスマッシュヒットとなった「Z3」のMバージョンとなる「Z3Mロードスター」

 今回のオークション出品者であるこれまでのオーナーは、クラブイベントや英国内で数多くおこなわれているカーショーなどにも熱心に参加していたとのこと。それらのイベントでおこなわれる「コンクール・デレガンス」にエントリーするために、前オーナーはこのクルマを美しく保つことに努めていたそうで、ディテールに至るまで入念にケアされてきた形跡が見られる。なかでもエンジンベイは、新車としてショールームを飾っていた時代を思わせる美しささえ感じられる。

 ところが新型コロナウイルスによるパンデミックのため、前オーナーにとっては最高の楽しみであったカーイベントはすべてキャンセル。その結果として、自慢の愛車を手放す決意に至ったとのことである。

 今回の出品にあたっては、本革レザーのウォレットに収められたサービスマニュアルのフルセット、これまでのMOT(英国内車検証)や受けてきたメインテナンスの請求書、および2セットのキーなどの付属品もコンプリート。そして、競売では2万475英ポンド、日本円に換算すれば約315万円で無事落札となったのだ。

 この落札価格は、現在の国際マーケットにおけるZ3Mロードスターとしては、きわめて標準的なものともいえる。また、わが国のユーズドカー専門サイトを検索してチェックしても、これに近いプライス表示がなされていることがわかる。

 約20年前のクルマということもあって、「M」印のつかないZ3であれば、100万円以内に収まる売り物も珍しくはないのだが、やはりホンモノの「M」は特別ということだろう。

 確かに、数年前には200万円台の個体も数多く流通していたものの、昨今のヤングタイマー人気にあって、じりじりとではあるが確実な高騰傾向にあるようにも見える。

 さらにいえば、Z3Mはロードスター/クーペともに、まだまだ価格上昇する可能性を秘めているとも考えられよう。

 自動車界でもっとも愛されている6気筒エンジンのひとつである、3.2リッター「S50B32」型自然吸気エンジンがもたらす、鋭いスロットルレスポンス。そして、クワッド・エキゾーストから放出される素晴らしい咆哮を、リアルスポーツカーとして体感できるZ3Mシリーズは、シリアスかつスパルタンBMWスポーツカーの「最後の砦」として、評価を新たなものとしつつある。

 このクルマに憧れてきたエンスージアストにとっては、どうやら本気で覚悟を決める時が到来しているかも知れないのである。

BMW・Z3 Mロードスター のカタログ情報を見る

【画像】BMWが作ったジャジャ馬「Z3Mロードスター」とは(24枚)

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー