水に浮く車!? 全長3m未満の軽ナンバー車「フォムワン」 災害対応の切り札? 3.11が発端で開発

最近では、さまざまな小型EVが登場していますが、神奈川県にあるベンチャー企業では水に浮く超小型電気自動車「FOMM ONE(フォムワン)」を販売しているといいます。どのようなクルマなのでしょうか。

なぜ水に浮く小型EVを開発? きっかけは3.11だった

 昨今では、軽自動車が爆発的に普及しており、幅広い世代から支持を得ています。
 
 そんななか、あるベンチャー企業が水に浮くことのできる超小型電気自動車を開発しました。

水に浮く&移動可能!? 軽自動車ナンバーが取得できる超小型電気自動車を「FOMM ONE(フォムワン)」
水に浮く&移動可能!? 軽自動車ナンバーが取得できる超小型電気自動車を「FOMM ONE(フォムワン)」

 超小型電気自動車の「FOMM ONE(フォムワン)」開発したのは、神奈川県川崎市のベンチャー企業FOMM(フォム)です。

 すでに、埼玉県さいたま市内で、2021年3月下旬にカーシェアサービスの実証実験もおこなっています。

 この実証実験は、小型な車体でより限られたスペースでの有効活用や広い車内空間を生かしての買い物や子どもの送迎など、さまざまなニーズに対応を検討した利便性向上を図るために実施されました。

 また、「ENEOSホールディングス」もこの実証実験の協定を締結しており、各車両に利用する電力の一部を再生可能エネルギーで供給し、低炭素社会の実現を目指しています。

 フォムワンの航続可能距離はNEDC基準で166km、時速は最高速度80km/hで走ることができます。

 軽自動車としてナンバー取得(届出)しているため、高速道路や自動車専用道路を走ることも可能としています。

 製造元のフォムは、自動車メーカーのスズキでエンジン、車体と多岐にわたる設計を担当し、その後、アラコを経てトヨタ車体に移り、ひとり乗り電気自動車「コムス」などの開発に携わった鶴巻日出夫氏が、2013年に立ち上げたベンチャー企業です。

 フォムワンの原型となる「FOMM Concept One Phase I」を2014年に発表し、2018年11月に市販モデルとなるフォムワンを発表して、翌年3月からタイでの量産を始めました。

 フォムのCEO、鶴巻日出夫氏はフォムワン開発の経緯や今後の課題について以下のように話します。

「フォムを立ち上げたのは、2011年3月11日の東日本大震災がきっかけでした。

 避難しようとした人たちが津波に巻き込まれ、多くの命が失われました。
 高齢者や足の不自由な人は自分の足で避難できず、クルマで逃げようとした人たちもいましたが、次々と津波にのみ込まれ、海底に沈んでいきました。

 水面に浮かび、移動することができるクルマがあれば、こうした命を助けることができたのではないかと思い、水に浮かぶ自動車を開発するためにフォムを立ち上げました」

 また、フォムは水に浮かぶことのできるEVの開発、普及を日本国内ではなく、タイで進めているといいますが、その理由について鶴巻日出夫氏は次のように話しています。

「タイは雨期と乾期があり、雨期には洪水など水害も多発します。

 こうした課題を解決するため、最初の販売ターゲットをタイに定めました。

 現地で首相に直談判するなどしてタイで走行できる認可を得ることができ、2019年3月から販売を開始しました。

 タイは自動車の関連企業が多く、部品の調達コストが安いので、クルマづくりにも適しています。販売も好調で一時は生産が追いつかない状態でした」

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3件のコメント

  1. アルミホイールをフィン状にして、少しくらい進めるようには出来ないのかな?

    • 良いですね💡

  2. YouTubeでチェックしてました。震災が製作のきっかけだったんですね。
    日本での販売待ってました。購入希望です。

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