極悪燃費でも許された!? ガソリン爆喰いだった頃の高性能車5選

近年、世界中のメーカーは内燃機関の燃費向上と共に電動化を強力に推し進めています。その目的はCO2排出量の削減で、いかに燃料を燃やさないでクルマを走らせられるかということを追求しているのです。一方で、1980年代から1990年代にデビューした高性能車は、とにかくパワーを追求していたことから、燃費は二の次というモデルも数多く存在。そこで、燃料をジャブジャブ使っていた頃の高性能車を、5車種ピックアップして紹介します。

極悪燃費だった頃の高性能車を振り返る

 2021年4月に日本政府は、2030年のCO2排出量を2013年比で46%削減するという目標を発表しました。CO2とは二酸化炭素、つまり温室効果ガスのひとつで、地球の気候変動に密接に関係している温暖化を抑止しようと、日本だけでなく世界中の主要な国がCO2削減に取り組んでいます。

 地球の平均気温が上昇しているメカニズムは完全に解明しているとはいえませんが、CO2に温室効果があるのは明確なため、まずはCO2削減を最優先事項として、現在、自動車メーカー各社は内燃機関の燃費向上と共に、パワーユニットの電動化を強力に推し進めているところです。

極悪な燃費でも許された頃に誕生した高性能車たち
極悪な燃費でも許された頃に誕生した高性能車たち

 各メーカーのロードマップに若干の違いはありますが、概ね、純粋な内燃機関搭載車は廃止してハイブリッド車やPHEVに移行し、その後は完全にEVにシフトするというのが一般的です。

 つまり、いかに化石燃料を燃やさずにクルマを走らせるかが、CO2削減を実現する手段となっています。

 一方、環境意識が高まっていなかった1980年代から1990年代にかけて登場した高性能車は、今では考えられないほどガソリンを大量に使って走っていました。

 そこで、燃料をジャブジャブ使っていた頃の高性能車を、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「スカイラインGT-R」

燃費など眼中になく速く走ることに特化して開発された「R32型 スカイラインGT-R」

 1989年に日産は、8代目「スカイライン」をベースにした高性能モデルの「スカイラインGT-R」(R32型)を発売。1969年に登場した初代と同じくレースに勝つことを目的に開発されました。

 ボディラインナップは2ドアクーペのみとされ、エンジンは専用の2.6リッター直列6気筒ツインターボ「RB26DETT型」を搭載。最高出力は当時すでに自主規制上限だった280馬力を発揮しましたが、実際は400馬力以上を想定していたといいます。

 駆動方式はFRを基本とする駆動トルク可変型のフルタイム4WDシステム「アテーサE-TS」を採用し、新開発の4輪マルチリンク式サスペンションと相まって高い運動性能を実現。

 スカイラインGT-Rは1990年シーズンから「全日本ツーリングカー選手権」に参戦するとデビューウインを飾り、以降は1993年にレースが消滅するまで全戦全勝を記録するなど、まさに無双状態でした。

 このR32型スカイラインGT-Rのカタログ燃費は7.0km/Lです(10モード、以下同様)。フルノーマルでも実燃費は5km/L前後といわれ、もちろんハイオク指定ですから、当時、生活費を切り詰めてまで買ったユーザーにはさらに厳しい現実が待ち構えていたといえるでしょう。

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●トヨタ「アリスト」

まさに加速力こそが正義だったスーパーセダンの初代「アリスト」

 1980年代の終わり頃、日本はバブル景気の絶頂期で、高級セダンの日産「シーマ」やトヨタ「セルシオ」が誕生してヒットしました。

 また同年代には、トヨタ8代目「クラウン」や、6代目「マークII」が兄弟車の「クレスタ/チェイサー」と共に空前のヒットを記録するなど、ミドルクラス以上のセダン市場を席巻している状況でした。

 そこでトヨタはシェアの拡大をさらに進めるため、1991年に高級かつ高性能なセダンの初代「アリスト」を発売。

 アリストのデザインは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが主宰するイタルデザインが担当し、セルシオとは大きく異なるスポーティかつ迫力あるフォルムを実現。

 エンジンは全グレードとも3リッター直列6気筒で、トップグレードの「3.0V」には最高出力280馬力を誇るツインターボの「2JZ-GTE型」を「A80型 スープラ」に先駆けて搭載するなど、コンセプトは完全にスポーツカーといえます。

 足まわりには4輪ダブルウィッシュボーンを採用して優れた乗り心地と旋回性能を両立していましたが、やはり3.0Vの魅力は加速力にあり、ツインターボのエンジンは1.7トン近い車重を物ともしないスタードダッシュを披露しました。

 カタログ燃費は7.1km/Lですが、実際はスカイラインGT-Rと同じく5km/L前後で、強烈な加速力を味わおうとすれば3km/L台から4km/L台に落ち込むことも珍しくありませんでした。

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●三菱「GTO」

1.7トンの重量級ボディとあって踏めば燃費の悪化もすごかった「GTO」

 1990年に三菱は、新時代のスポーツカーとして「GTO」を発売しました。流麗なフォルムのボディにハイパワーなエンジンとフルタイム4WDシステムを搭載していましたが、スカイラインGT-Rとは少々コンセプトが異なり、高いスタビリティを誇るGTカーといったキャラクターです。

 ボディは3ドアファストバッククーペのみで、サイズは全長4555mm×全幅1840mm×全高1285mmとワイド&ローの迫力あるフォルムを実現。

 搭載されたエンジンは全車3リッターV型6気筒DOHCで、最高出力225馬力の自然吸気に加え、トップグレードには最高出力280馬力を誇るツインターボが設定されました。

 GTOはスポーツカーらしさあふれる外観や、オールラウンドな走りが期待できる駆動系が大いに魅力的なことから一定の人気を獲得。

 カタログ燃費は7.8km/Lと前出の2台よりは若干良いのですが、車重1700kgジャストというヘビー級のボディをキビキビ走らせるには5km/L台を覚悟する必要がありました。

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3件のコメント

  1. エスティマのスーパーチャージャーを忘れちゃいけませんで。

  2. アヴェンタドールは3でした。
    高速道路でね。

  3. 戦車は0.5と聞いた。
    だからタンクローリーを従えて前進するのだと

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