トヨタの燃料電池搭載! 374馬力のBMW新型FCVが走行テスト開始 発売は2022年?
独BMWは2021年6月16日、水素燃料電池ドライブトレインを備えたモデル「BMW i Hydrogen NEXT(BMW iハイドロジェン・ネクスト)」プロトタイプの公道テストを開始したと発表した。
トヨタとBMWの技術協力で生まれた燃料電池車
独BMWは2021年6月16日、水素燃料電池ドライブトレインを備えたモデル「BMW i Hydrogen NEXT(BMW iハイドロジェン・ネクスト)」プロトタイプの、公道テストを開始したと発表した。今後継続しておこなわれる広範なフィールドテストにより、このサステイナブルな駆動技術に関する実践的な経験が得られるという。
BMW iハイドロジェン・ネクストは、同ブランドのSAV「X5」をベースにした燃料電池車(FCV)だ。2013年からはじまったトヨタ自動車とBMWグループとの製品開発協力により、燃料電池はトヨタから供給され、燃料電池スタックとパワートレインはBMW独自に開発したものとなる。
このモデルに搭載されるパワートレインは第5世代のBMW eドライブシステムと呼ばれるもので、すでに登場している「iX3」(日本未発売)や今後登場する「iX」「i4」にも搭載されるという。電気モーターは最高出力374hpを発生。これはBMWモデルに搭載されているなかでも、もっともパワフルな直列6気筒ガソリンエンジンに匹敵するパワーとなる。
BMW iハイドロジェン・ネクストの燃料電池システムは、水素と酸素の化学反応によって最大170hpの電気エネルギーを発生。燃料電池の下にレイアウトされる電気コンバーターが、燃料電池の電圧を電位モーターの電圧レベルに調整し、駆動させる。
BMW iハイドロジェンNEXTには、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製で700バールの水素タンクふたつが搭載されており、最大で6kgの水素を積むことができる。水素の充填にかかる時間は3分から4分で、あらゆる天候下で数100kmの航続距離を確保することが可能。走行中にドライブトレインから発生するものは、水蒸気のみとなる。
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水素燃料電池技術は、BMWのドライブトレイン戦略において、内燃機関モデル(ICE)、プラグインハイブリッドシステム車(PHEV)、バッテリー駆動車(BEV)を補完する第4のパワートレインとして、長期的な可能性を秘めているという。
FCVはEVに代わる魅力的な選択肢となる可能性があり、とくに充電インフラのないユーザーや、頻繁に長距離をドライブするユーザーにとって、その可能性は高いといえる。
BMW AGの取締役会メンバーで開発担当のフランク・ウェーバー氏は、「水素燃料電池技術は、とくに大型車クラスに置いて持続可能なドライブトレインのための魅力的な選択肢となり得ます」とコメントする。「そのため、水素燃料電池ドライブトレインを搭載した、ほぼ市販車に近い車両での公道テストは、当社の研究開発における重要なマイルストーンとなっています」
X5をベースに開発されたBMW iハイドロジェン・ネクストの市販バージョンは、2022年後半に市場に導入される予定だ。
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