ポルシェ新型「GT3」に羽根なし仕様の「ツーリングパッケージ」登場! お値段据え置き
ポルシェ新型「911 GT3」を控えめな外観に仕立てた「911 GT3ツーリングパッケージ」が新たに加わった。大人しい出で立ちのGT3とは、いかなる仕様なのだろうか。
脱いだらすごいんです、を地でいくツーリングパッケージ
ポルシェジャパンは、新型「911 GT3ツーリングパッケージ」の予約受注を6月16日から開始した。現行型の「911 GT3」は、2021年2月に発表され、4月からは日本でも予約受注がスタートしたばかりだ。
911 GT3に加わったツーリングパッケージの詳細についてレポートしよう。
まずツーリングパッケージという名称は、1973年モデルの「911カレラRS」にまで遡ることができる。いわゆる「73カレラ」には、純粋にレースに使用するための「レーシング」、サーキットとオンロードの両方を楽しむための「スポーツ」、そしておもにオンロードを走るための「ツーリング」の3つの仕様が設けられていた。つまり、主戦場はサーキットではなく一般公道であるため、グランドツーリング的に使われることが想定される。このDNAを受け継いで2017年に復活したのが、先代の911 GT3のツーリングパッケージなのである。
外観上でのGT3との大きな違いは、GT3の特徴のひとつである固定式リアウイングがないことだ。その代わりに速度によって自動展開するリアスポイラーが装備されている。
911 GT3ツーリングパッケージの車両価格は2296万円(消費税込)と、911 GT3と同額。トランスミッションは6速MTが標準装備で、7速PDKも選択可能だ。しかも、追加料金は一切掛からない。ハンドルは左右のどちらも選ぶことができる。
●ツーリングパッケージの外装と内装
控えめな外観では、サイドウインドウのハイグロスアルマイト製シルバーカラーのトリムストリップが唯一主張しているくらいだ。スポーツエグゾーストシステム テールパイプも同じくシルバーカラーで、高級感が演出されている。フロントエンドは、エクステリアカラーと同色にフル塗装が施されており、スポーツ性を強くアピールすることはない。
もしスポーティに外観を仕上げたい場合は、オプションのエクステリアツーリングパッケージを選択すれば、これらのシルバーのエレメントはサテングロスブラック仕上げにすることができる。この場合、ヘッドライトモジュールはダークティンテッド仕上げになる。
インテリアでは、ステアリングホイールリム、ギア/セレクターレバー、センターコンソールカバー、ドアパネルアームレスト、およびドアハンドルがブラックレザーで覆われている。パーシャルレザーインテリアは、ブラックのステッチを採用し、非常に落ち着いた雰囲気だ。
ヘッドレストにポルシェエンボス クレストがあしらわれているシートのセンターパネルは、ブラックファブリック仕上げとなり、ルーフライナーもブラックを採用。さらに、ドアエントリーガードとダッシュボードとセンターコンソールのトリムエレメントは、ブラック ブラッシュアルミニウム仕上げとなる。インテリアも往年のクラシックスポーツカーの雰囲気に仕上げられている。
また、911 GT3ツーリングパッケージでは、911 GT3 のほぼすべてのオプションを装備することが可能だ。エクステリアとホイールの全カラー、ポルシェダイナミックライトシステムおよびポルシェダイナミックライトシステム プラスを組み込んだLEDヘッドライト、各種アシストシステム、セラミックブレーキ(PCCB)、フロントアクスルリフトシステム、すべてのシートバージョン、クロノパッケージ、オーディオシステムなどである。
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ポルシェ911のなかでも非常に人気の高いGT3だが、サーキットメインで使用するならともかく、普段使いするには特徴的なリアウイングなど、あまりにもレーシーすぎだ。さり気なくGT3のポテンシャルを堪能したいという人には、911 GT3ツーリングパッケージはまさしく理想の1台だ。
真の「羊の皮を被った狼」、これこそが911 GT3ツーリングパッケージを説明する上でもっとも相応しい言葉といっていいだろう。
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