「アヴェンタドール」後継モデルに採用!? 「エッセンツァ」のカーボンモノコックが、市販車初の安全規格認証を取得

アウトモビリ・ランボルギーニは2021年6月7日、「エッセンツァ(Essenza)SCV12」のカーボンファイバー・モノコックシャシが、市販車初のFIA(国際自動車連盟)ハイパーカー安全規格認証を取得したと発表した。

FIAとの技術協力をとおして実現されたシャシ

 アウトモビリ・ランボルギーニの40台限定サーキット専用モデル「エッセンツァSCV12」のカーボンファイバー・モノコックシャシが、FIA(国際自動車連盟)ハイパーカー安全規格認証を市販車で初めて取得した。

ランボルギーニ「エッセンツァSCV12」
ランボルギーニ「エッセンツァSCV12」

 アウトモビリ・ランボルギーニのモータースポーツ部門の責任者であるジョルジオ・サンナ氏は次のようにコメントしている。

「エッセンツァSCV12は『Laboratory of ideas(アイデアの実験室)』として誕生しました。そのため、荷重を支えるギアボックスにサスペンションを直接取り付けるなど、通常はレージングプロトタイプで採用するような、GTカーとしては画期的な要素を採用することを可能にしました。また、スチール製ロールケージを搭載しないカーボンファイバー製の新しいモノコックシャシを特徴としています。これはFIAとの技術協力をとおして実現したもので、将来のGTレーシングドライバーの安全性が飛躍的に向上する一歩を踏み出すことができました」

 エッセンツァSCV12のカーボンファイバー・モノコックシャシは、サンタアガタ・ボロネーゼにあるアウトモビリ・ランボルギーニCFK部門のオートクレーブ装置を用いて製作されている。CFK部門は、「アヴェンタドール」のシャシ製作も担当する部門だ。

 FIAがシャシのホモロゲーションの際に求めるテストは、静的・動的テストの両方を含む、極めて厳しいものである。そのため、ランボルギーニ・スクアドラコルセの技術者たちは、エッセンツァSCV12の基となった市販車のシャシ構造に大幅な変更を実施。カーボンファイバー・モノコックシャシは、FIAの認証試験で12トンを超える力に対し大きく変形することなく耐える必要があったため、いくつかのポイントで補強された。

 また、シャシのほか、ペダル、ベルト、燃料タンクなどを対象とした静的テストは20項目を超える。さらに衝突テストでは、最大14m/sの衝撃が加えられることになる。これらのテストでシャシに外装パーツが侵入してドライバーと接触することや、燃料タンクの漏れは許されない。

 そのためランボルギーニ・スクアドラコルセの技術者たちは、スチール製ロールケージを搭載せず、カーボンファイバーの構造体を用いることを決断したという。そしてシャシ内で革新的なラミネートフォーム(ROHACELL 71XT)を使用したことで、全体重量の面でメリットを得られただけでなく、コックピットスペースを大幅に拡大することができ、最高の快適性を実現することができた。

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