今でもホレボレするほどカッコイイ! 昭和の時代に誕生した美しい車5選
スズキと三菱が作り出した2台のファストバッククーペとは?
●スズキ「フロンテクーペ」

今や軽自動車と小型車の生産で不動の地位を獲得しているスズキは、1955年に同社初の4輪自動車「スズライト」を発売しました。
スズライトは現在まで続く軽自動車の基礎となったモデルで、後の「フロンテ」を経て現在の「アルト」まで系譜が受け継がれています。
このフロンテの3代目において、1971年に高出力なエンジンを搭載した軽自動車初のRRスポーツカーで派生車の「フロンテクーペ」が登場。
フロンテクーペのボディは、低いフロントノーズと傾斜したフロントガラスからリアまで流れるように続くルーフラインが特徴のファストバックを採用。
このフロンテクーペのデザインは、いすゞ「117クーペ」を手掛けた巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによる原案をベースとしており、乗員の居住性よりもデザインを優先した結果、発売当初は2シーターのみでデビューしたほどです。
内装もタイトなコクピットにローバックタイプのバケットシート、インパネには6連メーターを設置。最高出力37馬力を絞り出す3キャブレターの360cc2サイクル直列3気筒エンジンを搭載するなど、軽自動車という枠を超えた本格的なスポーツカーに仕立てられていました。
●三菱「コルトギャランGTO」

かつて三菱の主力車種だった「ギャラン」は、1969年に「コルトギャラン」の名で誕生。美しいデザインと優れた走りの4ドアセダンとして人気となりました。
そして1970年には高性能なスポーツカーのニーズの高まりから、2ドアハードトップの派生車「コルトギャランGTO」が登場。
丸目4灯のヘッドライトを配置した逆スラントノーズのフロントフェイスは、高性能車にふさわしいシャープな印象で、フロントノーズからテールエンドまで続く「ダイナウェッジライン」と呼ばれたサイドラインと、トランクリッド後端を跳ね上げたダックテールによって、美しいサイドビューを演出しています。
エンジンは、当初1.6リッター直列4気筒SOHCのみでしたが、発売から数か月後にはDOHCヘッドを搭載した「コルトギャランGTO MR」を追加ラインナップ。なお、MRの名は「ランサーエボリューション VIII MR」へ継承されました。
1973年には2リッターSOHCエンジンを搭載する「コルトギャランGTO GS-R」が登場し、当時の高性能モデルの証であるオーバーフェンダーが4輪に装着されるなど、さらに迫力ある外観へと進化。
しかし、後に排出ガス規制の強化からパワーダウンを余儀なくされ、1978年に一代限りで消滅してしまいました。
※ ※ ※
今回紹介した5台は、すべて1960年代の終わりから1970年代初頭にデビューしたモデルです。まだ排出ガス規制の強化が始まる前で、数多くの高性能車が誕生しました。
デザインについては欧米のクルマを参考にしていたと思われますが、やはり歴史に残るようなスタイリッシュなモデルが続々と登場した時代でもあります。
どれもおよそ半世紀前のクルマですが、今も色褪せない魅力があることは凄いことだと思わざるを得ません。
Writer: くるまのニュース編集部
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