VW新型「ゴルフ」日本上陸! なぜ歴代ゴルフはライバル車の目標とされてきたのか

ホットハッチ「ゴルフGTI」の登場も衝撃だった

 初代ゴルフは生産開始から2年弱(22か月)、1976年3月に累計生産台数50万台を達成。それからわずか7か月後の同年10月には100万台の大台もクリアする。まさに大ヒットとなったのだ。

 その大ヒットにさらに勢いを加速させたのが、1976年6月に追加された「ゴルフGTI」だ。

1976年に登場した初代「ゴルフGTI」。最高速度は183km/hだった
1976年に登場した初代「ゴルフGTI」。最高速度は183km/hだった

 キャブレターの代わりにインジェクションを採用し、1.6リッターエンジンは最高出力110psまでにパワーアップ。足回りも強化されたハイパフォーマンスバージョンだ。

 ちなみにスタンダードなゴルフのエンジンは1.5リッターで70ps。ゴルフGTIはスタンダードモデルよりも1.5倍以上の出力を誇っていたのだ。これもちろん、当時のコンパクトカーとして破格なパワーだ。同時代のメルセデス・ベンツのコンパクトクラス「W123」やBMW「3シリーズ」、「5シリーズ」のエントリーモデルよりもパワフルであったりしたのだ。

 斬新なスタイルと、GTIによる脅威のパフォーマンス。これにより、ゴルフのセグメントリーダーとしての歴史がスタートした。

初代「ゴルフGTI」のインパネ。シフトノブがゴルフボールのカタチになっている
初代「ゴルフGTI」のインパネ。シフトノブがゴルフボールのカタチになっている

 また、水冷エンジン×FFプラットフォームを手に入れたVWの飛躍も、ゴルフとともにスタートするのであった。

 その後、ゴルフは1983年に第2世代、1991年に第3世代、1997年に第4世代、2003年に第5世代、2008年に第6世代、2012年に第7世代へと続く。

 世界的なヒットモデルとなったゴルフは、それぞれの世代で、常にセグメントリーダーにふさわしい、最新テクノロジーが積極的に採用された。

 生産工程にロボットを採用したゴルフ2。ゴルフ3時代には大型セダンに匹敵する走りを見せる「ゴルフVR6」を追加している。

 またゴルフ4では品質を大幅に向上させた。ゴルフ5はでターボとスーパーチャージャーを組み合わせたツイン過給のTSIエンジンを投入。DCTトランスミッションの採用もゴルフ5からとなる。

 さらにゴルフ6で熟成された、排気量を下げて燃費性能を高めるダウンサイジングコンセプトは、世界のトレンドの先駆けともなっている。そして先代となるゴルフ7では汎用性の高いMQBプラットフォームを採用。日本カー・オブ・ザ・イヤー獲得をはじめ、世界中で高い評価を得ているのだ。

* * *

 個人的には、ゴルフが常にセグメントリーダーの座を守り続ける理由は「VWの顔となるモデルである」というのが大きいと思う。

 数ある自動車メーカーの中でも、VWの存在感はトップクラスだ。その顔となるモデルがゴルフである。

 技術力とお金のかかった開発がおこなわれるからこそ、優れたクルマが生まれたのだろう。また、欧州屈指の技術先進国であるドイツというプライドもあるはずだ。

 さらにドイツは、速度無制限区間もある高速道路のアウトバーンがある。リアルに優れた走行性能が求められ、そして実際に日常的に使われるという環境があるのだ。そうした数々の理由が重なって、ゴルフのセグメントリーダーとしての存在感が実現するのではないだろうか。

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Writer: 鈴木ケンイチ

1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

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