VW新型「ゴルフ」日本上陸! なぜ歴代ゴルフはライバル車の目標とされてきたのか
2021年6月、ついにVW新型「ゴルフ」が日本に上陸した。1974年の初代モデル登場以来、VWゴルフはいつの時代も「セグメントリーダー」と呼ばれ、常にライバル車の目標であり続けている。なぜゴルフはそういう存在になっているのだろうか。
現代に続くFFハッチバックの「原型」
ついに8世代目となる新型「ゴルフ」、通称ゴルフ8が日本に上陸した。
新型ゴルフを理解するキーワードは、「インテリジェント」「コネクテッド」「電動化」だ。大型ディスプレイなどクルマとドライバーのインターフェースの多くをデジタル化し、コネクテッド機能と結び付けている。
パワートレインにはフォルクスワーゲン(VW)初の48Vマイルドハイブリッドを採用した。日本に導入されるのは1リッターと1.5リッターの2種のTSIエンジンだ。価格は291万6000円(消費税込、以下同)から375万5000円となる。
先代のゴルフ7は、日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど高い評価を得た。当然のように、Cセグメント・ハッチバックを代表するモデルとして認知されたのだ。いわゆるセグメントリーダーとなる。そして、歴代ゴルフは、それぞれの時代で常にセグメントリーダーと呼ばれていた。その理由はどこにあるのかを考えてみたい。
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まずは、ゴルフの歩んできた歴史を振り返ってみよう。
初代ゴルフが登場したのは1974年のこと。ジウジアーロが率いるイタル・デザインがかかわった初代ゴルフは、直線基調のボクシーなFFモデルとして登場した。クルマの後ろにトランクスペースを持たない2ボックススタイルを採用。いまでこそ直線基調の2ボックスFFモデルなど珍しくともなんともないが、1970年代初頭としては非常に斬新なものだった。
思い起こしてほしい、ゴルフ登場以前の1950年代から60年代にかけてのカーデザインのトレンドは、テールフィンや流線形であり、丸みを帯びたボディのクルマばかりであったのだ。この流行は米国車だけではなく、ドイツ車もそうだった。そこに登場した初代ゴルフは、斬新さと合理的な使いやすさで、すぐに大ヒットモデルとなる。
このヒットでVWは救われる。じつのところ1960年代から70年代初頭のVWは苦悩していた。
偉大な大ヒットモデルである「ビートル(タイプ1)」の後継を生み出すことができなかったのだ。空冷エンジンを車体後端に載せて後輪を駆動するビートル。そのメカニズムを流用した後継モデルは、どれも大ヒットには至らなかった。
そこに登場したのがゴルフであった。水冷エンジン、前輪駆動(FF)、エンジン横置き、そして直線基調デザインというゴルフは、ビートルとは正反対のキャラクターともいえる。
しかし、その革新性によってビートルの後継車としての座を勝ち取ることに成功した。
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