使い勝手と走り、どちらも良し! 現役国産コンパクトスポーツ3選
1980年代から1990年代に走り好きの若者を魅了したモデルといえば、1.6リッターエンジンのコンパクトスポーツです。近年、そうしたモデルは減少してしまいましたが、まだまだコンパクトスポーツは現役です。そこで、現行モデルで魅力的なコンパクトスポーツを、3車種ピックアップして紹介します。
現役のコンパクトスポーツを振り返る
昭和から平成にかけて、走り好きの若者から高い支持を得ていたクルマといえば、1.6リッターエンジンを搭載したFFコンパクトカーです。
かつては各メーカーから同様なモデルが販売され、選択肢も豊富でしたが、近年はニーズの変化から淘汰されてしまいました。
しかし、コンパクトな車体のスポーツモデルは減少してしまったものの、わずかながら現行モデルでも生き残っています。
そこで、使い勝手が良くスポーツ走行もこなす最新の国産コンパクトスポーツを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「マーチ NISMO S」
日産の現行モデルのなかで長い歴史のあるコンパクトカーが「マーチ」です。初代に「マーチ スーパーターボ」、3代目は「マーチ 12SR」とスポーティなモデルがラインナップされ、現行モデルの4代目では2013年にスポーティモデルの「NISMO S」が登場しました。
マーチ NISMO Sはその名のとおり開発は日産のレース活動をサポートするNISMOが担当、生産はオーテックジャパンがおこなっています。
搭載されるエンジンはファインチューニングされた1.5リッター直列4気筒で最高出力116馬力を発揮。トランスミッションは5速MTのみです。
出力的には決してハイパワーではありませんが、1010kgと軽量なボディに使い切れるほどのパワー、MTとの組み合わせでドライビングプレジャーは高性能車以上といえます。
また、NISMOの手によってシャシ剛性アップ、サスペンションとパワーステアリングのアシストを専用にセッティングすることによって、走行フィーリングも向上。
外装では専用のカラーリングに小ぶりなエアロパーツを装着し、内装はスポーツシート、本革とアルカンターラを組み合わせた小径ハンドルの採用くらいに留まり、スポーティな演出が控えめなところも好印象です。
使い勝手のよいコンパクトカーであるマーチの良さをキープしながら、基本性能を向上したNISMO Sは、日常の足としても、週末にワインディングを楽しむにもベストチョイスといえます。
価格(消費税込、以下同様)は187万6600円と、安価な設定も大いに魅力的です。
●トヨタ「カローラスポーツ」
2018年に発売されたトヨタ「カローラスポーツ」は、現行モデルのカローラシリーズに先駆けてデビューしました。
Cセグメントのコンパクトカー「オーリス」の実質的な後継車であり、2006年まで販売されていた「カローラランクス」以来となる5ドアハッチバックの復活は大いに話題となりました。
カローラスポーツは全長4375mm×全幅1790mm×全高1460mmとグローバルコンパクトカーでは標準的なサイズで、外観は精悍なフロントフェイスに、複雑な曲面を組み合わせたグラマラスなデザインが特徴的です。
パワーユニットは最高出力116馬力を誇る1.2リッター直列4気筒ターボエンジンと、システム出力122馬力の1.8リッター直列4気筒ハイブリッドを設定し、ガソリン車ではFFと4WDをラインナップ。
なかでも1.2リッターターボエンジン車の2WDでは、トランスミッションはCVTに加え、6速MTが設定されたことも大きなトピックスでした。
サスペンションは全グレード共通でフロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架を採用して高いコーナリング性能を実現。さらに全グレードとも4輪ディスクブレーキが装備されるなど、車名のとおりスポーツマインドあふれる構成です。
ベーシックグレードの「G“X”」(6速MT)の価格は216万9000円で、先進安全技術やディスプレイオーディオを標準装備するなど装備も充実しており、かなりお買い得な1台です
●スズキ「スイフトスポーツ」
最後に紹介するスズキ「スイフトスポーツ」は、国内メーカーのなかでも屈指の軽量化技術を誇るスズキが開発した渾身の作といえるモデルです。
2017年に発売された現行モデルは4代目にあたり、初代は1.5リッター、2代目と3代目は1.6リッターの自然吸気エンジンでしたが、4代目はシリーズ初のターボエンジンを搭載。
1.4リッター直列4気筒ターボエンジンは最高出力140馬力を誇り、トランスミッションは6速ATと、クロスレシオの6速MTを設定しています。
また、ボディは通常のスイフトに比べ30mmワイド化されたトレッドの影響で、フェンダーを20mm拡幅(全幅で40mm)したことによりシリーズ初の3ナンバー登録となりますが、新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の採用に加え、内装部品に至る細部まで最適化した結果、3代目から70kgもの大幅な軽量化を実現。
車重は十分な快適装備や先進安全技術を搭載したうえで、わずか970kg(MT)です。
足まわりはフロントがストラット、リアがトーションビームのシンプルな構造ながらモンロー製ダンパーが奢られた専用セッティングで、ブレーキは4輪ディスクを採用し、軽量な車体と相まって優れた運動性能を実現。
価格は187万4400円からで、生粋のホットハッチながらかなりのバーゲンプライスといえます。
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最後に紹介したスイフトスポーツは970kgと軽量ですが、昭和の時代のスポーツコンパクトは1トン未満が当たり前でした。
しかし当時は、エアコン、オーディオ、パワーステアリング、パワーウインドウなどは標準装備されていないのが一般的で、当然エアバッグも無く、ボディ剛性や衝突安全性も今のクルマと比べ物にならないほど脆弱だったといえます。
そう考えると、やはりスイフトスポーツの軽量化は凄いことだとうかがい知ることができるのではないでしょうか。
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