道路の真ん中にマンホール設置なぜ? 鉄製だから雨天時に滑る? 別にある意外な理由
なぜマンホールの蓋は滑りやすいのか?
どうしてもマンホールを設置しなければならないのなら、滑らないように鉄以外の素材でマンホールのふたを作れないのでしょうか。
マンホールの蓋に、一番求められるのは「強度」です。マンホールの蓋の上は、大型の重機を積んだトレーラーなども通るため、ある程度の強度が必要です。
東京都下水道局によれば、「下水道などのマンホールに使われる蓋は汎用品ではありません。東京都を始め各都道府県によって下水道に使われる蓋には設計基準が設けられ、下水道局がその基準に沿って設計したものが使用されています」といいます。

下水道用マンホールのふたについて、日本グラウンドマンホール工業会の担当者は、次のように話しています。
「マンホールのふたは、ダクタイル鋳鉄と呼ばれる素材が用いられています。
ダクタイル鋳鉄は鉄に銅やカルシウムなど12種類の素材を混合して作られていますが、実はマンホールのふたが滑りやすいのは、鉄だからではありません。
鉄と、タイヤや靴底の間にある水や砂がスリップの原因なのです。
ただ、マンホールふたの表面に凹凸を付けるとその原因を取り除くことができます。
実際に、ぬれたアスファルト路面と同等の滑り抵抗係数(C.S.R)0.45程度のマンホールふたは開発されて、すでに使用されています」
滑り抵抗係数は低いほど滑りやすく、通常のマンホールは、雨に濡れた状態で「C.S.R=0.25」程度とのことです。なお、「東京都福祉のまちづくり条例」では敷地内の通路や建築物の出入口などで「C.S.R=0.4以上」が望ましいとされています。
※ ※ ※
道路上にあるマンホールのふたは、雨の日には厄介な存在です。しかし、インフラ整備の観点からすると必要なものだといえ、さらに滑らないようにする技術進化がおこなわれているのです。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。















