新型コロナ禍も理由のひとつ? 超絶価格高騰中の国産車5選
ここ数年で、世界的に旧車やネオクラシックと呼ばれるクルマの価格が高騰しています。なかでも1980年代の終わりから1990年代初頭にかけて登場した国産スポーツカーは常軌を逸した価格です。そこで、とんでもない価格にまで高騰している国産高性能車を、5車種ピックアップして紹介します。
価格高騰が著しい国産高性能車を振り返る
第二次世界大戦以前に製造された生粋のクラシックカーは、古くから美術館と同等の扱いで、庶民とは関係の無い所で高額な価格で取り引きされてきました。
しかしここ5年ほどで、1980年代から1990年代に登場したネオクラシックカーやヤングタイマーと呼ばれるクルマが、世界的にも著しく価格が高騰しています。
原因はいくつか想定され、例えば10年ほど前から、レストアされたオールドスーパーカーを中東やロシアの大富豪がコレクションして価格が高騰し、さらにポルシェ「911」へと波及してもっと低価格のスポーツカーへとターゲットが移ったこと。
映画で日本の高性能車が広く知られることになり、アメリカの中古車輸入制限が緩和される新規登録から25年経った(通称25年ルール)モデルに合致する、ヤングタイマーが注目されたこと。
それらに付随するかのように2015年前後の円安傾向によって、程度の良い日本の中古車を海外のバイヤーが大量に買い付けたことが挙げられ、さまざまな要因が重なったといえます。
その後、円高傾向へと変わったことや、ターゲットとなった日本の中古車も数が減ったことなどから、ピークを過ぎたと思われましたが、ここ2年ほどで再び価格が高騰しはじめました。
そこで、とんでもない価格にまで高騰している国産高性能車を、5車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイラインGT-R」
現在、日本を代表する高性能車といえば日産「GT-R」です。すでに誕生から13年以上経ちながらも改良を重ねた結果、未だに世界の名だたるスーパーカーと肩を並べる走行性能を発揮します。
このGT-Rのルーツといえば、1969年に登場した「スカイラインGT-R」で、レースに勝つことを目的に開発されたというストーリーから、常に注目される存在でした。
さらに1973年にわずか197台しか生産されなかった2代目スカイラインGT-R(ケンメリ)は、伝説的な存在です。
そして、1989年から2002年まで生産された第2世代のR32型/R33型/R34型スカイラインGT-Rと、シリーズは全部で大きく5つのモデルとなります。
現在、この5つのスカイラインGT-Rはすべて価格が高騰している状況で、初代が2000万円台から5000万円台、2代目はまず市場に出ることはありませんが、2019年のオークションで流札となった希少な赤いケンメリは予想落札が7500万円から1億円でしたから、今では1億円前後が妥当でしょう。
前述の25年ルールで大量にアメリカに渡ったR32型は、ノーマルで極上な個体ならば新車価格の3倍程度の1500万円台で、10万km以上の過走行で修復歴ありの個体でも400万円台からです。
R33型は400万円台から1000万円弱といったところで、R34型は第2世代ではもっとも高額となっており、最低でも1000万円台、最終限定車の「VスペックII ニュル」や「Mスペック ニュル」ならば、2000万円台から3500万円ほどで、もはや最新の「GT-R NISMO」以上の価格帯です。
スカイラインGT-Rシリーズはすべて、もはや庶民には手の届かないクルマとなってしまいました。
●マツダ「RX-7」
第2世代のR32型/R33型/R34型スカイラインGT-Rはハイテクな装備で走行性能を高めた4WDスポーツカーですが、よりドライバーの腕が試されたピュアスポーツカーだったのが1991年から2003年まで生産されたマツダ(アンフィニ)「RX-7」です。
ハイパワーなロータリーターボエンジンを搭載した最後のモデルであり、流麗でスタイリッシュなフォルムや、軽量なボディによるシャープな走りから、生産終了後も世界的に人気のモデルとなっています。
現在は最低でも300万円台から、最終モデルの限定車「バサーストR」で程度が良い個体ならば600万円台以上は間違いないでしょう。
ただし、RX-7は改造された個体が多く、かつてのメンテナンスの良し悪しも程度に大きく関係しているため、購入した後に多額のメンテナンス費用がかかることも想定する覚悟が必要です。
RX-7がスカイラインGT-Rほどは価格高騰していない背景には、そうした出費も関係しているのかもしれません。
●トヨタ「スープラ」
スカイラインGT-RやRX-7のライバルとして存在したのが、1993年から2002年まで生産されたトヨタ「A80型 スープラ」です。
初代はアメリカで1978年に発売。日本の「セリカXX」と同等のモデルで、日本では1986年に登場した3代目 A70型から「スープラ」の名になり、A80型は4代目にあたります。
空力性能を強く意識した流麗なフォルムは、古典的なFRスポーツカーのロングノーズ・ショートデッキを採用。
エンジンは全車3リッター直列6気筒DOHCで、トップグレードの「RZ」には280馬力を誇るツインターボエンジン「2JZ-GTE型」を搭載し、トランスミッションはゲトラーグ社と共同開発された6速MTと4速ATを設定するFRです。
RX-7と同様にドライバーの腕が大きく関わるピュアスポーツカーで、現在の相場は300万円台からですがかなり稀で、RZならば500万円台から走行距離の少ない個体は1000万円台といったところです。
2019年に現行モデルの5代目が登場したことからA80型も再び注目され、さらに相場が上がったといえるでしょう。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。