炎上したら大変! フェラーリ「F40」の最新落札価格は2億2000万円!

「F40」の最新オークション結果は2億円オーバー!

 そんなF40だけに、オークションに登場する機会は、それほど多くない。登場するときには、オーナーが亡くなってしまったなど、やむを得ない事情で手放すことになったときくらいだ。

 そのため、F40を手に入れたいという人は、オークションに登場した際には大きな熱意を持って入札をする。そのため、ハンマープライスが予想以上の高額となるケースも多い。

●1992 フェラーリ「F40」

レーシングカーをオンロード仕様に仕立てたようなスパルタンな「F40」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
レーシングカーをオンロード仕様に仕立てたようなスパルタンな「F40」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 今回RMサザビーズオークションに登場したF40は、最終的には204万ドル(約2億2300万円)での落札となった。

 この個体の高額での落札の理由は、新車登録からの履歴がはっきりしているということにある。1992年にマラネロで組み立てられた、シャシナンバー「93103」という個体である。

 F40は発表当初、ヨーロッパでの販売のみを想定しており、排ガス浄化のための触媒や、エアコンの装備もなかったのだが、1990年になって規制が厳しいアメリカ向けとして、触媒とエアコンを装備したモデルがつくられるようになった。そのアメリカ向け車両の総数は、213台といわれている。

 シャシーナンバ「93103」は、1992年に生産されたアメリカ向け60台のうちの1台。1994年4月にテキサス州ヒューストンに納入され、ユタ州のコレクターに販売されている。

 その後、2000年になってフロリダ州のディーラーに売却されたが、そのときの走行距離は398マイル(約640km)に過ぎなかった。

 その車両を購入したフロリダ州のデレック・ウッズ氏は、2004年に開催された第13回キャバリノ・クラシックというイベントに出展。その後オーナーは変わったが、2020年のキャバリノ・クラシックでは、スーパーカークラスのプラチナ賞を受賞している。

 こうした履歴がわかるのは、メンテナンス作業も含めたすべての記録が残っているからだ。最新の整備記録は、2020年11月にセルモーターとオルタネーターに加え、ホーン、タイヤの交換がおこなわれている。また、アライメント調整やステアリングギアボックス、フューズパネルのリビルドも同時に施された。走行距離は通算で3304マイル(約5286km)とローマイレージだ。まさしくコンクールコンディションを維持し続けているという部分も、高額での落札につながったポイントといえるだろう。

 自動車の歴史のなかでも、貴重な1台といえるF40。電動化が焦点となりつつある自動車の世界にあって、こうしたクルマがつくられる可能性は、ほぼないだろう。今回落札した新たなオーナーのプロフィールは分からないが、可能であれば車庫にしまってしまうのではなく、多くの人の目に触れるよう積極的にイベントなどに参加してもらいたいものだ。

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