アメリカンSUVなのに手ごろなサイズ感! キャデラック「XT4」の魅力とは

クセがなく安定した走り

 走り始めると、エクステリアから受ける印象よりソフトな乗り心地で安心した。路面の凹凸や段差などはタイヤがうまくいなし、快適だった。サスペンションのストロークもあり、大きなうねりなども吸収してくれる。

キャデラック新型「XT4」のインパネ。全グレード左ハンドル仕様だ
キャデラック新型「XT4」のインパネ。全グレード左ハンドル仕様だ

 かといってソフト過ぎることはなく、1780kgの車重をしっかりと受け止め、首都高速のコーナリングでもロール角はうまく抑えて、安定したコーナリングができる。当日はウエット路面だったが、しっかりとしたグリップをステアリングを通して感じることができた。

 ステアリングのニュートラル付近の遊びも小さく、操舵による反応もクセがなく自然だった。シャープ過ぎず、誰にでも優しい感じで良かった。

 プラットフォームはセダン用の「グローバルイプシロン」からSUV用に進化させたXT4専用アーキテクチャーを採用している。乗ったときのしっかり感だけでなく、乗り心地とハンドリングを両立させているのも、XT4専用に仕立てただけのことはある。

 ナビなどのインフォメーションのモニターは8インチと、最近のクルマとしては大きくはないが、必要なだけの面積は確保されている。通常のナビも日本語表示でストレスなく使えるが、AppleCarPlayやAndroid Autoにも対応している。ステアリングスイッチで操作もできるし、センターコンソールにあるダイアルでも操作しやすい。

 インストルメントパネルは左側にタコメーター、右側にスピードメーターがレイアウトされているが、その中間部分は様々なインフォメーションを表示できるカラー液晶メーターがある。

 ここにはドライブモード(ツーリング、AWD、スポーツ、オフロード)、前方の車両との車間距離(秒)、ドライバーアシスト、バッテリー電圧(V)、自車速度(km/h)、トリップデータ(km、L/100km)、レンジ(km)、オイルライフ(%)、タイヤ空気圧(kPa)、エアフィルターライフ(%)、燃費(L/100km)、平均スピード(km/h)、タイマー…と、さまざまな情報を指先の操作だけで表示し、切り換えることができるから相当に便利だ。

 またクルマ自体がアメリカの基準で作られているので、衝突時やADAS作動時にはイベントデータレコーダー内にクラッシュデータがメモリーされるという。万が一の際には詳細データを引き出して確認することができる。

 乗り心地やハンドリングだけでなく、このような装備に関しても米国を代表するプレミアムブランド、キャデラックにふさわしいSUVに仕上がっている。

 ひとつだけ気になるのは、全グレード左ハンドルの設定だということだ。現在日本で展開されるキャデラックのSUVは、XT5もXT6もすべて左ハンドル仕様になる。

 確かにアメリカンSUVならではの雰囲気が味わえるかもしれないが、その点は敷居が高く感じてしまうかもしれない。

キャデラック「XT4」
キャデラック「XT4」

Cadillac XT4 Platinum
キャデラックXT4プラチナム

・車両価格(消費税込):640万円
・全長:4605mm
・全幅:1875mm
・全高:1625mm
・ホイールベース:2775mm
・車両重量:1760kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1997cc
・駆動方式:4WD
・変速機:9速AT
・最高出力:230ps/5000rpm
・最大トルク:350Nm/1500-4000rpm
・タイヤサイズ:245/45R20

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