ハイパフォーマンスなだけじゃダメ? 渋いオトナに似合う高性能セダン5選

スポーツカーに代表される高性能車というと、ハイパフォーマンスなだけでなく派手な外装となっているのが一般的です。しかし、走行性能が高くても、派手な外観は好みでないという人も存在するはず。そこで。渋いオトナに乗って欲しい高性能なセダンを、5車種ピックアップして紹介します。

派手さは控えめながら高性能なセダンを振り返る

 トヨタ「スープラ」やホンダ「シビック タイプR」といった高性能なモデルは、動力性能や運動性能が優れているだけでなく、外観デザインも見るからに速そうに演出されています。

 速いクルマなのだからより速く見えるのが、ユーザーにとってもわかりやすいといえるでしょう。

違いがわかるオトナに乗って欲しい渋い高性能セダンたち
違いがわかるオトナに乗って欲しい渋い高性能セダンたち

 しかし、見た目はそれほど派手ではなくても、高性能なモデルを好むという人も存在するはずです。

 そこで、渋いオトナにこそ乗って欲しいハイパフォーマンスなセダンを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「スカイライン オーテックバージョン」

あえて自然吸気エンジンとしたのが渋い「スカイライン オーテックジャパン」
あえて自然吸気エンジンとしたのが渋い「スカイライン オーテックジャパン」

 日産は1989年に8代目となる「R32型 スカイライン」を発売。同年には16年ぶりに「スカイラインGT-R」が復活を果たし、第2世代のGT-Rの歴史が始まりました。

 このR32型 スカイラインGT-Rのコンポーネンツを流用して開発されたコンプリートカーで、いぶし銀の魅力あふれる高性能セダンが、1992年発売の「スカイライン オーテックバージョン」です。

 その名のとおりオーテックジャパンの手で製作されたモデルで、ボディは2ドアクーペのスカイラインGT-Rとは異なり4ドアセダンのみとされ、スタンダードなモデルと同様に5ナンバーサイズとなっています。

 外観はフロントに専用デザインのエアロフォルムバンパーが装着されるに留まり、標準では派手なエアロパーツは装着されていません。

 エンジンはスカイラインGT-R専用の「RB26DETT型」をベースに、2.6リッター直列6気筒自然吸気に作り変えられた「RB26DE型」を搭載。

 インテーク/エキゾーストマニホールド、カムシャフト、ピストン、ECUなどがオーテックジャパンによって開発された専用品となっており、最高出力は220馬力を発揮しました。

 現在の水準からするとパワーは控えめといえますが、6連スロットルが装着された大排気量自然吸気エンジンならではのシャープなアクセルレスポンスや、スムーズな吹け上がり、アクセルに対してリニアな出力特性が重要視された結果です。

 駆動方式はアテーサE-TSの4WDとされ、足まわりにはスーパーハイキャスに専用チューニングされたサスペンション、ブレーキはスカイラインGT-Rから移植された、ピンホール付き4輪ベンチレーテッドディスクが奢られています。

 また、スカイライン オーテックバージョンは、余裕のあるロングドライブを楽しむというコンセプトで開発されたため、シックな印象ながらホールド製の高いスポーツシートによって疲労を軽減し、トランスミッションは4速ATのみの設定です。

 スカイライン オーテックバージョンの販売台数はわずか200台ほどだったことから、現在は中古車市場でも滅多にお目にかかれない幻のモデルといえます。

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●スバル「レガシィB4 3.0R」

優れたレスポンスの大排気量自然吸気エンジンを搭載した「レガシィB4 3.0R」
優れたレスポンスの大排気量自然吸気エンジンを搭載した「レガシィB4 3.0R」

 スバルは1980年代の後半に業績悪化から存亡の危機に直面していました。そんな状況を打破するために、1989年に初代「レガシィ」を発売。

 トップグレードには高性能なターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせたことで、スポーティなセダン/ステーションワゴンというイメージを確立し、大ヒットを記録したことでスバルの救世主となりました。

 その後も同様なコンセプトでレガシィは代を重ね、2003年にシリーズ初の3ナンバー専用ボディとなった4代目が登場。より上質なセダン(B4)/ステーションワゴン(ツーリングワゴン)へと生まれ変わりました。

 その上質さをさらに高めつつ、高性能なモデルとして同年に発売されたのが「3.0R」で、はB4/ツーリングワゴンともにラインナップ。

 スバルの高性能車というとターボエンジンが主流ですが、3.0Rには最高出力250馬力を発揮する3リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンが搭載され、スムーズな回転フィーリングは高級車にも引けを取りませんでしたが、発売当初は6速MTのみとされるなどスバルらしさが垣間見えました。

 さらに、2004年には専用のビルシュタイン製ショックアブソーバーや、外装パーツ、18インチホイールを装備する「3.0R Spec B」が登場します。

 大排気量自然吸気エンジンに6速MTを組み合わせ、強化されたサスペンションによる優れた運動性能を発揮するなど、まさに大人のためのスポーツセダンといえるでしょう。

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●ホンダ「アコード ユーロR」

高回転高出力なNAエンジンを搭載したシリーズ最後の高性能モデル「アコード ユーロR」
高回転高出力なNAエンジンを搭載したシリーズ最後の高性能モデル「アコード ユーロR」

 ホンダは1992年に「NSXタイプR」を発売。それに続いて「インテグラ」と「シビック」にもタイプRを設定し、ホンダの高性能モデルの代名詞となりました。

 しかし、タイプRシリーズに共通するコンセプトとしてサーキット走行に対応していたことから、日常での普段使いには厳しいほど硬いサスペンションや騒音といったネガティブな要素も存在。

 そこで、タイプRほどストイックではない高性能モデルとして、2000年に初代「アコード ユーロR」が誕生し、一躍人気車となります。

 2002年には7代目アコードをベースとした2代目ユーロRが登場。エンジンは最高出力220馬力を誇る2リッター直列4気筒DOHC i-VTECエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTのみと硬派です。

 足まわりは乗り心地を考慮しながらも強化され、高い安定性とコーナリング性能を実現。

 外観はタイプRほど派手ではないエアロパーツによって引き締められ、内装はレカロ製シートにアルミ製シフトノブでレーシーな雰囲気です。

 5名乗車で普段使いにも最適な高性能セダンというキャラクターから2代目ユーロRも人気となりましたが、2008年に8代目アコードの登場によって廃止され、以降の国内モデルでは高性能なグレードは設定されていません。

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