反則金は6千円! 故障停車時に「三角表示板」は必要? なぜ販売店で勧めないのか
クルマを高速道路上に停車させる際、表示させなければならない三角表示板(停止表示器材)ですが、新車購入時に勧められない理由とは、どのようなものなのでしょうか。
三角表示板はどのようなときに使う?
故障などのトラブルでクルマを高速道路上に停車させる際、表示させなければならない三角表示板(停止表示器材)ですが、新車購入時に勧められない理由とは、どのようなものなのでしょうか。
三角表示板は、後続車に対して自車が停車中であることを知らせるためのもので、道路運送車両法の保安基準では「警告反射板」、「停止表示器材」とも呼ばれます。
道路交通法施行規則では、三角表示板の形状や配色(赤色)であること、200m離れた所からでも反射していることがわかることなど細かく要件が定められています。
高速道路などで故障を理由に停車する場合、道路交通法第75条の11(故障等の場合の措置)では「当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない」と定められています。
自動車教習所や運転免許更新時に配布される「交通教本」では「夜間やむを得ず一般道路で駐停車する場合には、非常点滅表示灯(ハザードランプ)や三角表示板を置くなどして他車が分かるようにしなければならない」と記載。
さらに、高速道路なので駐停車する場合には時間帯に応じた三角表示板や発炎筒の使用に関する記述があります。
また、内閣府大臣官房政府広報室が運営する「政府広報オンライン」では、高速道路上での停車時の事故について次のように説明しています。
「車両故障や事故などで、本線車道または路肩に停止した自動車や、路上に降り立った人に後続車が衝突。
故障や事故などで停車した場合、後続車が前方で停車中の車に早めに気付くように、ドライバーは三角停止表示板など『停止表示器材』の表示が法律によって義務付けられています。しかし、これらの事故(2019年中の死亡事故24件)は停止表示器材の表示が確認されませんでした」(一部引用)
なお、高速道路でやむを得ず停車させたときに三角表示板を使用しなかった場合には、「故障車両表示義務違反」として普通車及び二輪車では違反点数1点、反則金6000円が科せられます。
万が一の際に必要な三角表示板ですが、新車を購入するとき販売店で勧められるケースは少なく、三角表示板を装備していない人も一定数存在します。
販売店で三角表示板の購入を推奨していない理由について、国産メーカーの販売店やカー用品店では次のように話しています。
「商談時に三角表示板を勧めたことはほとんどありません。営業スタッフ側がお勧めするオプションとして捉えられていないこともあり、お客さまから質問されない場合は話に出てくることも少ないです」(首都圏の国産系販売店)
「三角表示板に関しては、お客さまからの認知度も低いことや、クルマに搭載していなければいけないものではないこともあり、商談時にも積極的に勧めておりません。また、以前に三角表示板を勧めたところ高速道路を滅多に使わないので必要ないという返答がありました」(関西圏の国産系販売店)
「さまざまなカー用品を扱っていますが、三角表示板のお問合せは少ないと思います。同じような用途のものとして発炎筒がありますが、これは使用期限が過ぎていると車検が通らないので、定期的に売れています。一方で、三角表示板に関しては以前に高速道路上で停車した際に表示しなかったことで違反キップを切られた人が購入されていたくらいです」(首都圏のカー用品店)
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三角表示板に関する罰則は、高速道路上の停車と限られているものの、走行している他車の近くにいることは非常に危険です。
また、いつどのような場面で故障が発生するかはわからないことからも、数千円で購入出来る三角表示板をクルマに備えておくことが推奨されます。
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