意外と凝ったつくりでおもしろい! 個性的な派生車3選
ベースとなるクルマに対し、ボディ形状や車体の一部を変更して別車種として展開される派生車。グレードの違いよりも大きく変わるだけでなく、新たなモデルを開発するよりもコストが抑えられるのが特徴です。そんな派生車のなかには個性的なモデルも存在。そこで、ユニークな派生車を3車種ピックアップして紹介します。
おもしろすぎる派生車を振り返る
各自動車メーカーとも新たなプラットフォームを開発すると、複数のボディを展開するのが一般的です。
極力コストを抑えつつ複数のジャンルのモデルを開発する手法として、古くから盛んにおこなわれてきました。
一方、さらにコストを抑えつつ車種増をおこなう取り組みとして、派生車があります。
派生車はベースとなるモデルに対してボディ形状を変更したり、ボディの一部に手が入れられ、グレードのひとつではなく別車種として展開することで比較的手軽に車種増が可能です。
そこで、意外と凝ったつくりのユニークな派生車を、3車種ピックアップして紹介します。
●ミニ「ミニクーペ」
1959年に誕生したBMC「ミニ」は、後に登場するFFコンパクトカーの基礎になった名車中の名車です。
欧州だけでなく日本でも高い人気を誇ってきたミニですが、ローバーグループの経営悪化により2000年に生産を終了。その後2001年に、ローバーグループを買収したBMWから「ニューミニ」が発売されました。
ニューミニはオールドミニをオマージュしたユニークな外観とスポーティな走りによって世界的に大ヒットを記録。2006年に登場した第2世代ではスタンダードモデルである3ドアハッチバック以外にも、さまざまなボディタイプを展開することでさまざまなニーズに対応しました。
現在も展開されているオープンモデルの「コンバーチブル」、ステーションワゴンの「クラブマン」、SUVの「クロスオーバー」だけでなく、2011年には5番目のモデルとして「クーペ」が登場。
クーペのボディは3ドアハッチバックをベースにキャビンがつくり変えられ、リアセクションはなだらかに傾斜するハッチバッククーペとなり、全高が低く抑えられたルーフに合わせてAピラーの角度を寝かせるなど、大胆に手が加えられています。
内装のデザインはベースの3ドアハッチバックに準じていますが2シーター化されており、後部座席部分はすべて荷室です。
グレードは「クーパー」、「クーパーS」、チューニングモデルの「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」が設定され、スタンダードな「ワン」は除外されるなど、クーペらしくスポーティさが強調されました。
ミニクーペはクイックなハンドリングとハイパワーなエンジンを搭載したFFスポーツカーという派生車でしたが、異色ともいえるデザインからか人気となることはなく、2013年に第3世代の登場とともに消滅してしまいました。
●日産「マーチBOX」
1982年に発売された日産初代「マーチ」は次世代のエントリーモデルとして開発されたコンパクトカーで、安価な価格とシンプルなデザインが高く評価され、日本のみならず欧州でもヒットしました。
そして、1992年に2代目が登場すると、外観のデザインが直線基調だった初代に対し曲面を多用したやわらかなフォルムに一新。3ドアハッチバックと5ドアハッチバックに加えてカブリオレが設定されるなど、ボディバリエーションを拡充します。
さらに1999年には派生車としてステーションワゴンの「マーチBOX」が登場。5ドアのマーチをベースにホイールベースはそのままで、荷室部分を240mm後ろに延長することでステーションワゴン化されました。
ボディサイズは全長3980mm×全幅1585mm×全高1450mmで、ベースに対してルーフを25mm高くすることで室内空間を拡大するとともに、ステーションワゴンらしく広い荷室とすることで使い勝手を向上。
また、マーチBOX専用で折りたたんだリアシートと荷室の段差を無くすために「ダブルフォールディングシート機構」が採用されました。
搭載されたエンジンはベース車と同じ60馬力の1リッターと85馬力の1.3リッターの直列4気筒で、トランスミッションは4速ATとCVTを設定。
マーチBOXは優れたユーティリティを持つコンパクトなステーションワゴンでしたが、ヒットすることなく3代目マーチの登場とともに2002年で生産を終了しました。
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