「軽トラキャンプ」なぜ人気? 車中泊から荷台泊にニーズ移る? コロナ禍で需要増の訳
まるで「軽トラ・トランスフォーマー!」 自由自在なキャンプ仕様が続々現る?
パネルバンをベースにしたキャンパーは、ほかにも登場しています。
三島ダイハツが販売する「クォッカ」です。三島ダイハツは、従来は他社が製造してキャンピングカーを販売していましたが、2020年からオリジナルのクォッカを販売。
クォッカはハイゼット・パネルバンベースで、後部の箱に断熱アクリル窓を付けて、内部には地元産の富士ひのきをふんだんに奢っています。
軽のキャブコンと比べると室内空間は狭くなりますが、元々ある車体の一部を改造するため、新しいシェルを載せるキャブコンより安価に済むという利点があります。
またキャブコンよりも全長が短く、取り回しや操縦性という点で多少勝っています。

軽トラックの荷台に新たな箱を載せて、さらにその上にルーフテントを装着したモデルも登場しました。
それが、コイズミの「かるキャン・ナゲット」です。ベース車両は軽トラックですが、広島のカスタムブランド・ドリブンが販売している「ベビトラK-150コンプリートカーキット」や「DプロイBOX」を装着。さらにジェームス・バロウドのルーフテントを載せた仕様になっています。
Dプロイボックスには、さまざまなモノが収納できるほか、シンクが付いているので水仕事も可能です。
海外で人気のオーバーランド仕様になっており、軍用トラックのようなラギッド感も魅力のひとつです。
こうした軽トラックキャンパーのユーザーに共通しているのが、ソロユースということです。
「やはり50代くらいで、1人で使うからと見に来る人が多いですね」(三島ダイハツ・内村靖社長)
折からのキャンプブームによって拡大傾向にあるキャンピングカー市場ですが、新型コロナ禍の余暇の過ごし方の変化によって、ソロキャンプをする人がさらに増えているという背景があります。
「その時流にのったというといい方が悪いですが、これまでになかった層のユーザーが多いですね。使い方も1人用という方がほとんどです」(前出・山本氏)
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軽トラックキャンパーは、幅広い年齢層に受けているのも特徴のひとつです。
モデルによっては、フェイスをカスタムしているため、若年層に人気かと思いきや、意外にも中高年の注目度も低くありません。
やはり値段がほかのキャンピングカーよりも手頃で、手持ちの軽トラ(中古車)でも架装できるという所も評価されているようです。
ソーシャルディスタンスもさることながら、人とのコミュニケーションを敢えて絶つことを楽しむソロキャンプは、山の奥深くに入り込む込むことも多いレジャーです。
悪路走破性という点ではスズキ「ジムニー」に勝るとも劣らぬ軽トラは、まさにソロキャンプにジャストなクルマ。
設営も撤収もいらないとなれば、現地で時間をより楽しむことができます。新たな男の隠れ家のスタイルとして、これからこのジャンルはますます拡大していきそうです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。






















