ネオクラシックなクロカン車はいま見ても魅力的! 往年の高級SUV5選

このところ世界的に人気となっているSUVですが、さまざまなカテゴリーやセグメントのモデルが存在。なかでも高級なモデルが続々と登場しています。そこで、現在のような人気となる以前に誕生した高級SUVを、5車種ピックアップして紹介します。

往年のラグジュアリーSUVを振り返る

 近年、世界的に人気となっているSUVですが、小型かつ安価なモデルから大型で数千万円クラスの高級SUVまで、さまざまなセグメントのモデルが存在します。

 とくに高額なモデルは利益率も高いことから高級車メーカーがこぞってSUVを販売しており、世界中のセレブに愛されています。

成熟する前に誕生した初期のラグジュアリーSUVたち
成熟する前に誕生した初期のラグジュアリーSUVたち

 そんな高級SUVの歴史は意外と古く、まだSUV=クロカン車という時代にはすでに誕生していました。

 そこで、現在のような人気となる以前に誕生したネオクラシックな高級SUVを、5車種ピックアップして紹介します。

●ランドローバー「レンジローバー」

早期に高級SUVとして不動の地位を獲得した「レンジローバー」
早期に高級SUVとして不動の地位を獲得した「レンジローバー」

 SUVに特化したイギリスのランドローバーは、数多くのブランドを束ねていたブリティッシュレイランドグループ傘下で創業しました。

 当初、ランドローバーが生産していたモデルは、快適性とは無縁の無骨なクロカン車である「ディフェンダー」が主力でしたが、1970年にはより快適なモデルとして初代「レンジローバー」を発売。

 駆動方式は当時としては珍しいフルタイム4WDシステムを採用し、高い悪路走破性能と同時に高級セダン並の快適性を両立するというコンセプトで開発されました。

 ボディは大型のステーションワゴンで、最初は2ドアのみでしたが後に4ドアが設定され、簡素だった装備も年を追うごとに充実してさらにラグジュアリーなクルマへと進化。

 エンジンは3.5リッターV型8気筒ガソリンを搭載し、徐々に排気量を拡大。後年にはディーゼルエンジンも追加されました。

 1980年代後半になるとレンジローバーは高級4WD車としての地位を盤石にし、バブル景気に湧く日本でも高い人気を誇りました。当時の価格は800万円代からとかなり高額ながら、セレブや芸能人がこぞって買い求めたほどです。

 現行モデルのレンジローバーは4代目にあたり、今も世界中の富裕層から愛されています。

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●ジープ「ワゴニア」

アメリカン・フルサイズSUVの先駆け的存在だった「ワゴニア」
アメリカン・フルサイズSUVの先駆け的存在だった「ワゴニア」

 前出のランドローバーと同じく、SUVに特化したブランドとしてアメリカのジープがあります。かつてジープというと軍用車に端を発する「ラングラー」のイメージが色濃かったですが、高級感のあるモデルも存在。

 それがピックアップトラックのシャシをベースに、洗練されたステーションワゴンタイプのボディが架装されたジープ「ワゴニア」です。現在も人気が高いフルサイズSUVの先駆け的な存在といえるでしょう。

 初代ワゴニアは1963年にカイザー・ジープ社から発売。以降、ジープの製造権がAMC、クライスラーとなる間も、ワゴニアおよび、上級モデルの「グランドワゴニア」は、1991年まで生産が続きました。

 なかでもクラシカルなデザインの初代ワゴニアは今も高い人気を誇っており、アメリカ本国だけでなく日本でもファンが存在します。

 外観は荘厳な印象ですがボディサイドの木目調デコレーションが最大の特徴で、木製の幌馬車をイメージさせまず。

 その後、グランドワゴニアの名前は1993年モデルとして1年だけ復活。当時の「グランドチェロキー」の最上級グレードとして設定され、ボディサイドにはしっかり木目調のデコレーションが施されました。

 そして、2020年9月3日に新型ワゴニアの発表があり、2021年3月に復活を果たしました。

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●トヨタ「ランドクルーザー 80」

国産クロカン車のなかで最高峰に位置していた「ランドクルーザー 80」
国産クロカン車のなかで最高峰に位置していた「ランドクルーザー 80」

 トヨタ「ランドクルーザー」は日本が誇るクロカン車です。悪路走破性と信頼性の高さから、今も世界中で高い人気を誇っています。

 なかでも現行モデルで最上級クラスに位置する200系は、悪路で真価を発揮する高級SUVという不動の地位を獲得。

 このランドクルーザー200系の先祖にあたるのが80系で、1990年代初頭のRVブームの頃に一躍人気車となっていました。

 1989年に発売されたランドクルーザー 80系は、5ドアのステーションワゴンタイプのボディで、3列シートの乗用モデルと、2列シートの商用モデルをラインナップ。

 搭載されたエンジンは幅広くニーズに対応し、4リッターと4.5リッター直列6気筒ガソリンエンジンと、4.2リッター直列6気筒ディーゼルを設定していました。

 トランスミッションは4速ATもしくは5速MTが組み合わされ、駆動方式はフルタイム4WDを採用。当時はまだ駆動系制御の電子化が進んでおらず、ランドクルーザー 80は悪路でドライバーの腕が頼りだった最後のモデルといえます。

 ランドクルーザー 80は高級感もある洗練されたデザインで、クロカン車としての実力も高かったことから、北米ではレクサス初代「LX」として販売され、国産高級SUVの草分け的存在でした。

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