高齢者の免許返納が減少!? コロナ禍だけではない自主返納にブレーキがかかる訳とは

重大な事故を起こすリスクが高いとされる高齢ドライバー。運転免許を自主返納する件数が、2020年は減少しました。その背景には新型コロナ禍の影響もあるようですが、それ以外にも免許を返納しない理由があるようです。

高齢者の免許返納が頭打ちから減少に転じた

 2019年4月19日に発生した、いわゆる“池袋暴走事故”から早くも2年が過ぎました。

 被告人である旧通商産業省工業技術院・元院長の飯塚幸三被告(89)に対して2021年4月27日、東京地裁での公判で被告人質問がおこなわれました。

70歳以上のドライバーが運転していることを示す高齢者マーク
70歳以上のドライバーが運転していることを示す高齢者マーク

 各種報道によると、飯塚被告は「アクセルペダルを踏んでいないのにエンジンが高回転になり加速して、クルマが制御できないと思いパニック状態になった」と答え、事故の根本的な原因は自分の運転ミスではなくクルマの異常だというこれまでの考えを変えていません。

 この裁判の行方が気になる人も多いと思いますが、この事件が起り、「運転免許の自主返納」に対する高齢者の意識、そして高齢者がいる家族の意識に大きな影響を与えたことは間違いないと思います。

 ところが、警察庁がまとめたデータによると、2020年の自主返納件数は2019年に比べて4万8641件減少。55万2381件にとどまっています。

 このうち75歳以上が自主返納全体の53%にあたる29万7452件なのですが、前年比で5万2976件も減っています。一方で、75歳未満では前年より4335件増えているのです。

 この75歳以上という年齢層は、交通死亡事故が発生する事案が多くあることなどから、その対処として2017年に道路交通法が一部改正され、運転免許更新時に「認知機能検査」が義務化されています。

 また、2020年の道路交通法改正では、運転技能の確認のための実車試験(2022年実施目途)が追加されるなどの対策が講じられています。

 そのほか、全国都道府県の各警察本部では、事故を未然に防ぐことを目的として、高齢者に対して免許の自主返納を検討してもらうための広報活動などもおこなってきました。

 こうした国や地方自治体のよる動きがあるのも関わらず、2020年は75歳以上の自主返納数が前年比で大きく減少したのはなぜなのでしょうか。

 各種報道によると、2020年といえば当然、新型コロナ禍の影響が考えられるという警察庁関係者の見方もあるようです。

 ただし、運転免許の自主返納件数にブレーキがかかる現象は、地域によってはじつは新型コロナ禍のだいぶ前に現れていました。

 たとえば、世帯当たりの自動車保有率が全国トップレベルの福井県の場合、県内での自主返納件数は2014年の1033人から2017年には約2.5倍となる2674人まで増加しましたが、2018年の時点で2609人と頭打ちになっているのです。

 その理由について福井県の関係者は、「クルマ社会のなかで運転免許がなくなると、高齢者のみの家庭では子供や近所の人などに買い物や通院などを頼みづらくなる」と指摘します。

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コメント

1件のコメント

  1. 本来なら車に御主人の情報を見分ける回路を埋め込むのが近道なのですが、ブレーキとアクセルの踏み間違いという言い逃れに舵取りをした自動車産業の安全装置ビジネス〜補助金の流れ、使うべきところに充てる金はもう無いでしょう?
    免許証返納で事故を減らそうと言う都会独特の絵に描いた餅の感覚の制度、返納者への移動代替案も追々の周回遅れ
    返納しにくい車が必要な条件下ではバスやタクシーの旅客事業の事業撤退の問題もあるかもしれません。
    免許返納で事故を減らそうと言う発想は昔の大型二輪免許証を取らせないやりかたで事故を抑えこむ場当たりな制度の再来ですね。
    無免許でも知識があれば車は運転できますし、認知度を理由に免許を返納するのなら尚更です。
    免許返納を忘れて運転できる現実もあるでしょう。
    制度を変える役人は自分は老いないつもりでいるのか?もしくは欠落した免許制度の火消し策なんでしょうか?