デートカーの代名詞的存在! ホンダ3代目「プレリュード」はカッコイイだけじゃない?
量産車で世界初の舵角応動型機械式4WSを採用
3代目プレリュードで目玉となったのは、量産車では世界初採用となる舵角応動型機械式4WS(4輪舵操舵)が搭載されたことです。当時4WSによる後輪の動きがクローズアップされたCMが印象的でした。
ちなみに4輪操舵としては、1985年に発売された日産「スカイライン」に搭載された「HICAS(ハイキャス)」がありましたが、高速走行時の安定性を追求した同位相(フロントタイヤと同じ方向にリアタイヤが操舵される)のみの作動タイプでした。
プレリュードに採用された舵角応動型機械式4WSでは、高速走行時の安定性を高める同位相だけでなく、低速走行時の小回り性を高める逆位相(フロントタイヤとは逆方向にリアタイヤが操舵される)も採用されたのが特徴です。
その後、同年には世界初の車速感応式4WSを採用したマツダ「カペラ」が発売されましたが、コストパフォーマンス面で機械式を採用したプレリュードの4WSが優れていたといえます。
1989年のマイナーチェンジでは、リトラクタブルヘッドランプの通常モデルのほか、薄い横長形状の固定式ヘッドライトを採用した「プレリュード inx(インクス)」が追加ラインナップされました。
プレリュード inxはシックな印象のデザインで、より幅広い年齢層のユーザーに向けたモデルといえます。
また、1990年には3000台限定で特別仕様車の「Si States(ステイツ)」を発売。このモデルは全幅が5ナンバー幅を超える1715mmのワイドボディに加え2.1リッターエンジンを搭載し、シリーズ初の3ナンバーモデルとして投入されました。
3代目プレリュードは1988年に登場した日産S13型「シルビア」と人気を二分しましたが、2代目以上の生産台数を達成し、成功を収めたといえます。
その後、1991年には4代目へバトンが渡され、スペシャリティクーペからスポーツクーペへとコンセプトが変更され、全車3ナンバー化が図られました。
しかし、3代目ほどセールスは伸びず、1996年に登場した5代目では3代目のスタイルに回帰したものの、販売の低迷は回復せず、2001年にプレリュードの23年の歴史は幕を閉じました。
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時代とともにクルマへの価値観が変化し、今では2ドアクーペのスペシャリティカーは風前の灯火という状態です。
しかし、その代わりにクロスオーバーSUVが人気となっており、スタイリッシュで使い勝手もよく、デートでも長距離の旅行でも似合うとあって、ある意味現代のスペシャリティカーともいえるでしょう。
トヨタ「クラウン」がSUVになるという噂もありますが、もしかしたらプレリュードがSUVになって復活するなんていうことも、あながち冗談ではなくなるかもしれません。
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