日本でいま、EVってどうなの!? 代表的モデルに見る後悔しない選択とは
欧州市場や中国、そして北米市場では確実にEV(電気自動車)シフトが起きているが、ここ日本においては、さまざまな理由で「シフト」と呼ぶほどはEVの販売台数が伸びているということはない。ただ日産の初代「リーフ」は、世界初の量産型EVとして2010年に登場するなど、その素地はあるのかもしれない。そこでEV連載第2回は、日本で購入できる代表的なEV3台を紹介、それぞれ日本の道路事情においての長所と短所を考えてみた。
日本を代表するEV 日産「リーフ」
EV連載の第2回は、日本国内で購入できる3台の代表的なEVを取り上げ、その特徴を比較することにしたい。
トップバッターは日産「リーフ」である。
初代リーフは世界初の量産型EVとして2010年に発売。現在、販売されているのは2017年に発表された2代目で、バッテリー容量は40kWhと62kWhの2タイプが用意されている。ここでは航続距離が長い62kWhモデルを中心に紹介しよう。
リーフは、いわゆるCセグメントのハッチバックボディで、全長はおよそ4.5mとコンパクト。日本のファミリーカーとして代表的なサイズといっていいだろう。モーターは最高出力218ps、最大トルク340Nmのものを1基搭載し、前輪を駆動する。車重が2トンを切ることもあって、エンジン車の燃費に相当する電費は161Wh/km(WLTC)と比較的良好で、このため62kWhのバッテリーで458km(WLTC)の航続距離を実現している。価格は441万7600円から499万8400円だ。
リーフの最大の強みは、やはり日産の製品であるという点だろう。全国にディーラーネットワークが張り巡らされているので、トラブルなどが起きても安心。使い勝手の面でも多くの日本人ユーザーにとって馴染み深く、日本の道路事情を考慮したクルマづくりがなされていると見ていい。
ただし、内外装の質感や走行性能、快適性などの面でヨーロッパの高級車に及ばない点があるのも事実だ。また、充電仕様が日本のCHAdeMOを基本としているのも、有利な点と不利な点がある。
まず、リーフの有利な点は日本全国におよそ8000か所あるといわれるCHAdeMOの急速充電施設を使える点。一方で、実際に運用されているCHAdeMOの急速充電は充電出力が20kWないし50kWが大多数。このため、62kWhのリーフに50kWの急速充電器をつないでも、1時間でおよそ80%までしか充電できない。
しかも、公共の急速充電施設では30分経過したら一旦充電を終了する30分ルールが適用されるので、1時間連続の充電は基本的にできないし、ほかに待っているユーザーがいればその人に順番を譲らなければならない。
結果として待ち時間が長くなり、充電にまつわるストレスはどんどん増大していってしまう。この辺はリーフだけでなく、CHAdeMOもしくは日本の公共充電施設事情に起因する弱点なので、こうした不便はCHAdeMOを使う限り、今後もつきまとうと考えたほうがいいだろう。
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