ホンダeの電気で焼肉してみた! 万能なEVの「電気力」って何?
昨今、電気自動車(EV)に関連するキーワードとして「V2L」「V2H」「V2G」といった言葉を聞く機会が増えています。それぞれにはどのような意味があるのでしょうか。
EVは動く蓄電池? 実際、何に使えるのか?
脱炭素でますます注目されるEV(電気自動車)ですが、単なる移動の道具に留まらない可能性を持っているといいます。
期待されるのは「蓄電池」としての能力。将来的には社会の電力を支える姿も見えてきました。
今回は、ホンダのEV「ホンダe」の「電気力」を取材。先日、2040年までにEVとFCEV(燃料電池車)販売100%を宣言したホンダですが、その目指す未来はどのようなものでしょうか。
EVは電気でモーターを動かすことによって走るため、大容量のバッテリーを積んでいます。たとえばホンダeのバッテリー容量は35.5kWhです。
この35.5kWhとは、一体どのくらいの電力なのでしょうか。ホンダによれば、4人家族の一般家庭で約3日分の電力を供給できるといいます。
もし災害などで停電が起きたとしても、満充電のホンダeがあれば、3日間はしのげることになります。
35.5kWhという容量は、実はEVとしては必ずしも多いほうではありません。しかし一般的な家庭用蓄電池が5kWhから15kWh程度なので、家庭用蓄電池としては十分すぎる容量を持っているといえます。
EVは第一に移動手段として用いられますが、その蓄電能力を活用する取り組みが進められています。
EVの電気を何に活用するかによって、「V2L」「V2H」「V2G」といった言葉が使われています。
EVの電気を家電機器などで使うことを「V2L」(Vehicle to Load)といい、たとえば車内のコンセントでスマートフォンを充電するのは「V2L」です。
さらにクルマに外部給電機を接続すれば、より大容量で複数の電源として使用することもでき、災害時やアウトドアでの電源として活用が期待されています。
次にEVの電気を家で使うシステムをV2H(Vehicle to home)といいます。
一般的なEV用コンセントは、EVへ充電することしかできません。しかしV2H用の充放電器を使えば、EVへの充電だけではなく、EVから家屋への給電も可能になります。
たとえばソーラーパネルのある家屋では、晴れの日に太陽光で発電した余剰の電気をEVに充電することが可能です。
また、雨の日に太陽光発電ができないときは、EVの電気を家屋へ給電することができます。
近年、注目される太陽光発電や風力発電ですが、気候に左右されるため、電力供給に波があるのが大きな課題とされています。
そこで、EVの蓄電能力を活用して、社会全体の電力が足りないときはEVから社会へ電力を戻す「V2G」(Vehicle to Grid)というシステムの実用化が進められています。これには、蓄電される箇所が分散するといったメリットもあります。
実際にホンダは、再生エネルギーへの転換が進む欧州でV2Gの試験事業を実施しています。
このようにEVの「電気力」は、ただ単にEVが移動手段として使われるのではなく、将来的には再生エネルギー社会の電力を支える蓄電池としても活躍が期待されています。
ホンダeの開発責任者である一瀬智史氏は次のように述べています。
「ホンダeは2030年ぐらいの未来を思い浮かべ、それに対応できるクルマとしてつくりました。
クルマは動いているときの価値についていわれることが多いですが、ホンダeは電気自動車だからこそできる、止まっているときにできる価値にも技術を投入しています」
確かにこういった使い方ができるのであれば、後片付けが簡単ですし、キャンプでも火を使わない(逆に使えない)場所では有利ですね。ホットプレートが使えるなら外でタコパできますし、電気ポットや炊飯器も使えます。車内で普通に100Vが使えるというアドバンテージは非常に魅力的でしょう。
あとは、充電の問題だけですね。便利を謳ってもインフラが全く追いついていませんし、政府も車の普及だけ先走って、現状では充電に関して無策に等しいです。
そうそう、オートキャンプ場のサイトにEVの充電設備がある場所とか全国に何箇所くらいあるとか記事にして下さい。