フェラーリが放つ新型「812GTS」は耳で味わうV12エンジンの最終章か!?

フェラーリのフラッグシップモデルである、「812スーパーファスト」のスパイダーモデルとして登場した「812GTS」。アウディ「R8スパイダー」やマクラーレン「720スパイダー」など、圧倒的速さとオープンボディを両立させるクルマは少なくない。しかし環境保護が進むこの時代、V12をフロント搭載するオープンモデルとなると、数えるほどしか無いのが現状だ。そんな少数派なV12オープンスーパーカーの本質とは一体なんだろうか。

自然吸気V12の純ガソリン車は消えゆく存在

 どうやら本当に12気筒自然吸気を積んでそのエンジンのみで駆動する跳ね馬は、この「812」シリーズで最後となりそうだ。

 現時点で生産されているのはオープン仕様のGTSで、2021年中(本来ならもう出ているはず?)に812ベースのスペチアーレ(高性能版)が登場するというウワサ、なのだが、12気筒自然吸気はおそらくそこまで。

「599」のショーカーとしてFRのハイブリッドも過去に存在するから、その高性能版さえハイブリッドで出てくる可能性もなきにしもあらず、だけどパッケージ的にどうだろう。それにたとえピュアな自然吸気だったとしても、否、だったとしたら尚更、誰もが購入できるというものではあるまい。ちなみに高性能版のアペルタ(オープン)もあるだろうから、ピュアな自然吸気V12搭載ならそっちが究極。

 さらにこの先、仮に12気筒エンジンをハイブリッド化(すでに「ラ・フェラーリ」という前例がある)して残せたとしても、マラネッロがそれを現行の812シリーズのようなフラッグシップのFRモデルに搭載してくれる可能性は薄い。ラ・フェラーリのように“VIP向けとっておきスペチアーレ”用に温存する可能性が大きいのだ。

 というわけで、現実的にはこの「812GTS」をもって、マラネッロ産の12気筒自然吸気エンジンを味わう最後のモデルということになりそうだ。今からでも新車オーダーは間に合うというし……。

●マラネッロ産の12気筒自然吸気エンジンを味わう最後のモデルかも

1969年の365 GTS4(通称デイトナ)以来50年ぶりの量産フロントV12+スパイダーが復刻。GTSという名前はグランツーリズモ・スパイダーという意味を持つ(C)デレック槇島
1969年の365 GTS4(通称デイトナ)以来50年ぶりの量産フロントV12+スパイダーが復刻。GTSという名前はグランツーリズモ・スパイダーという意味を持つ(C)デレック槇島

 今回は筆者好みの地味なボディカラーをまとった812GTSで京都を目指した。ひょっとしてこれが最後かもしれないと思うと、余計に興奮したり、妙な緊張感を覚えたり。

 もっともクルマのほうはというと、最新の跳ね馬だからこれが至って冷静だったりするから面白い。マネッティーノ(ドライブモード)をあえてWETにして東名を走りだせば、これがもうドイツ車のように落ち着いた走りをみせる。

 ステアリングホイールは芯に張り付いてびくともしなさそうだし、以前のフロントエンジンフェラーリのように前が妙にちょろちょろするということがない。

 そう、雨でも降ろうものならミッドも嫌だったけれどFRはもっと嫌だった。最近の跳ね馬は雨でも何ら気にならない(クルマが濡れてしまうこと以外は!)。

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