タイガーマスクの愛車はランボルギーニ? それともジャガー? 長年の疑問が解決

タイガーマスクの愛車として作品内に登場するクルマは、ランボルギーニ「エスパーダ」なのか、それともジャガー「ピラーナ」なのか。その疑問に「マルツァル」の開発ストーリーも交えて答える。

タイガーマスクの愛車はエスパーダかピラーナか

 さて、ここまでは「ジャガー・ピラーナこそ伊達直人およびタイガーマスクの愛車」という前提で話を進めてきたものの、冒頭で記したとおりかつては定石となっていた「タイガーマスクの愛車はランボルギーニ・エスパーダ」という以前の見方はたしかに間違いであるとともに、実は正解でもあるようだ。

●エスパーダ説も間違いではない?

「ピラーナ」と「マルツァル」の経験が活かされた市販モデル「エスパーダ」
「ピラーナ」と「マルツァル」の経験が活かされた市販モデル「エスパーダ」

 アニメーション版のオープニングでは、主題歌『行け! タイガーマスク』をBGMとして、ジャガー・ピラーナが登場する。

 それがエスパーダではなくピラーナであることは「伊達直人」の運転でこちらに向かって走ってくる際に、グリルの上縁に薄い凹みがあることと、左右2対のヘッドライトの間にジャガーの象徴「リーピングキャット」を簡略化されたと思しき、横長の白い物体が確認できることからも明白といわねばなるまい。

 ところが、アニメ本編ではグリル上縁が真っすぐで、ボンネットと左右フェンダーの境界部に黒いエアアウトレットが確認できる、どちらかといえばランボルギーニ・エスパーダと思しきクルマが複数回登場していることも確認されているそうだ。

 さらにいえば、本編の別エピソードではガルウイングドアを開いた姿も登場しており、これは当時の作画スタッフが、マルツァルとも混同してしまっていた可能性をも示唆している。

 これはあくまで推測なのだが、ワンオフのコンセプトカーであるピラーナはもちろん、生産型のエスパーダさえも当時の日本国内ではほとんど見るチャンスはなく、アニメーション作画のモチーフやヒントは辛うじて手に入る写真やプラモデル、おもちゃなどに頼らざるを得なかったのではないだろうか。

 蛇足ながら、原作の漫画では真っ赤なマツダ「コスモ・スポーツ」、しかも生産期間の短かった前期L10A型が、伊達直人/タイガーマスクの愛車として登場することも、ここに記しておくことにしよう。

【画像】「ピラーナ」から「マルツァル」「エスパーダ」まで、デザインの系譜がよく分かる!(42枚)

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