なぜ今「水素エンジン」? トヨタが開発に本腰 モータースポーツで使うワケ
水素エンジンは燃料電池のライバルに!? 普及するのか?
トヨタが水素エンジンをモータースポーツで使うという発表を見て「水素エンジンは昔からあった」と知ったか一等賞のようなコメントを出す人もいるけれど、当時の水素エンジンは、ダイビングのタンクを使った焚き火のようなもの。
直噴技術や超高圧タンク使う最新の水素エンジンとはまったく技術レベルが違う。20年前と状況からして違う。
参考までに書いておくと、従来型MIRAIでレースをやってきた実績で考えれば、800気圧の水素使えばサーキットを60kmくらい走れる。
400気圧だと30km。200気圧なら15kmしか走れません。マツダやBMWが水素エンジン用として使ってきた水素タンクだと、まったくモータースポーツになど参戦できる水準にない。
800気圧の水素タンクであれば、燃料電池より20%熱効率が悪くても、初参戦レースになる富士スピードウェイを11ラップくらい走れるし、公道ではないため1200気圧くらい入れたら(新型MIRAIの水素タンク、設計上の耐圧は2400気圧らしい。すごい!)、富士スピードウェイを17ラップ以上走れると思う。十分レースになります。
ここまで読んで「だったら乗用車の水素エンジンはどうか?」と思うだろう。これについては、総合的に考えると難しいんじゃなかろうか。
そもそもコスト的に電気自動車より高い。超高圧の水素タンクは圧倒的に高価です。燃料となる水素も電気料金より安くなることなど考えられない。したがって乗用車は電気自動車が主流になる私(国沢光宏)は予想しておく。
ただトラックなどディーゼルの代替パワーユニットとして水素エンジンを使えるかもしれません。
生涯走行距離200万km以上になるトラックは、燃料電池だと耐久面で課題が出てくる。確立されたエンジン技術なら多少燃費が悪くても総合的にコスト計算すると甲乙付けがたくなる可能性大。もちろんモータースポーツも面白いと考えます。
燃料電池にとって手強いライバルの登場となった。もちろん燃料電池だって性能向上させられるし、何より静かという決定的な特長も持つ。
同じトヨタのなかで切磋琢磨していくことにより、性能も良くなっていくと思う。
とくにモータースポーツで鍛えると、進化スピードたるや市販車とまったく違う。モリゾウさん(トヨタの豊田章男社長)らしい判断です。
カーボンフリーという観点でいえば、燃料電池も水素エンジンも同じ。水素エンジンは燃焼で環境汚染物質であるNOxを排出するが、これはアンモニアなどを吹いてやることで解決します。
国内レースで手応えがあったら、WRCの前走車とかに走らせてもらうと世界に対する良い環境アピールになると思う。何よりエンジン音がクルマ好きにはうれしい。
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。
水素の充填圧力のみで比較出来るってことは、タンク容量は全部同じなのでしようか?
不思議ですね。
[酸素が燃える]と仰る国沢氏なのでこの辺りの論評はどうにも舌足らず(トンチンカン)に感じます。朝日やNHKの人達も文系なので勝手な思い込みや都合でシナリオ作って記事書くからデタラメになる。金で嘘つける御用学者はウハウハ、こんなんじや10年は持ちませんがどうせ引退してるからどうでもいいのかな?
人体だって煎じ詰めれば炭素(カ−ボン)ですが、カ−ボンフリーつて何言ってんだか?