「EVを手軽な価格に」 トヨタ先行投入? ホンダ・日産が猛追! EV普及の鍵は全固体電池か
2021年4月23日、ホンダの代表取締役に就任した三部敏宏氏は次世代電池といわれる「全固体電池」の開発に言及しました。すでにトヨタが2020年代前半に投入すると名言していますが、各社は全固体電池搭載車をどのタイミングで投入するのでしょうか。
次世代電池といわれる全固体電池とは?
昨今、電動化が進むなかで、電動車が普及しています。そうしたなかで、常々の課題となるのが電池性能の向上です。
2021年時点では、リチウムイオン電池が主流となっていますが、航続距離や1回あたりの充電時間が課題となっています。
そうしたなかで、次世代電池として全固体電池の開発・製品化を各メーカーが進めていますが、現状はどうなっているのでしょうか。
世界中の自動車産業が製品化を期待する全固体電池とは、従来のリチウムイオン電池において課題となっている安全性を向上させることが期待されています。
リチウムイオン電池は、燃えやすい有機電解液を用いていますが、全固体電池はその名のとおり、固体電解質となる燃えづらい電池となるため、高い安全性が期待されます。
また、現在開発されている全固体電池は、リチウムイオン電池の2倍以上の性能を持ついわれ、航続距離と充電時間についても大きく向上するようです。
このようにメリットが多い全固体電池について、トヨタの豊田章男社長は世界最大級の家電見本市「CES 2018」にて、次のように述べています。
「私たちは、全固体電池の開発にも取り組んでいます。この技術は、電池をより小さく、そして軽くでき、何よりお客さまと自動車メーカー双方にとってより手軽な価格にすることができると考えています」
トヨタは国産メーカーのなかでも早い段階で全固体電池の開発に取り組んでいるといわれており、2010年11月に「全固体電池は、粒子間抵抗の低減に成功し、小型パッケージングが期待できる電池の全固体化に向けて一歩前進」と明かしています。
その後、2012年9月に「電解質性能が世界最高レベルの新たな固体電解質を開発。これにより、イオンの流れやすさを向上させることに成功し、出力密度を5倍に向上」と進捗状況を公表。
そして、実際の製品化に関しては、2017年12月には「次世代電池として性能向上が期待される全固体電池を2020年代前半での実用化を目指し開発を進めています」と明らかにするなど、次世代電池の登場が注目されてきました。
直近では、2020年2月3日に、トヨタとパナソニックは車載用角形電池事業に関する合弁会社となる「プライム プラネット エナジー&ソリューションズ株式会社」を設立。車載用全固体電池の開発・製造・販売を展開するとしています。
※ ※ ※
一方で、海外メーカーも全固体電池の開発を進めており、2021年1月9日には中国のEVメーカー「NIO」がセダンタイプの新型EV「ET7」を発表し、2022年には、全固体電池を搭載可能とする仕組みを展開予定だといいます。
このように、全固体電池は今後2年、3年後には実際の市販車に搭載されて登場する可能性が高くなってきています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。