新型EVはなぜSUVばかり? 乱発する状況にユーザーはどう反響?

世界の自動車市場において、大きなトレンドとなっているのが「SUV人気」と「電動化」の2本柱です。とくに、電動化については電気自動車(EV)が続々と登場していますが、その多くはSUVタイプです。では、乱発するSUVタイプのEVについて、ユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。

世界的な「SUV人気」と「EV化」の組み合わせ

 昨今、世界的なSUV人気といわれて久しいですが、輪をかけてSUVタイプのEVも続々と登場しています。
 
 現在のSUV人気と今後普及が見込まれるEVについて、ユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。

上海モーターショー2021で世界初公開されたトヨタ「bZ4X」
上海モーターショー2021で世界初公開されたトヨタ「bZ4X」

 2021年4月19日に中国で開催された「上海モーターショー」では、トヨタ「bZ4X」やホンダ「Honda SUV e:prototype」、マツダ「CX-30 EV」を世界初公開。

 三菱も「エアトレック」のデザインを公開するなど、上海ショーで日系メーカーが発表したEVはすべてSUVタイプでした。

 また、マツダが2021年1月に日本で発売した「MX-30(EV)」や、2021年中頃に正式発表が予定されている日産「アリア」もSUVタイプです。

 なぜSUVタイプのEVが乱発しているのでしょうか。国産メーカーの担当者は次のように話します。

「EVタイプのSUVが多い背景には、やはりSUV人気が要因だと思います。

 また、いまでこそ徐々にEVへの理解・認知が深まりつつありますが、それでもまだガソリン車並に身近な存在とはいえないです。

 そうしたこともあり、EVをもっと身近なものに思っていただく取っ掛かりとして、人気のSUVタイプにしていることはあると思います。

 あとは、バッテリーの搭載位置と室内空間の確保から見てもSUVのほうがやりやすいというのはあると思います」

 では、SUVタイプのEVが続々と登場するなか、ユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。

 最初にSUVタイプのEVに対して肯定的な意見としては、次のような回答がありました。

・空気抵抗はセダンのほうが有利かもしれませんが、セダンを出してもどうせ売れないので、SUVでいいと思いますかな。

・各メーカーの企業努力が見えるので、これからも普及するのかなと思います。

・これからはEVが主流になると思うので、まずSUVが複数車種出るのはおもしろいと思います。

・現状ではSUVがシステム的にベストではないでしょうか?

・色んな意味でオールラウンドに使えることが好評なのだと思います。

・これからの時代、SUV以外のクルマは売れないと思います。SUV時代です。

※ ※ ※

 一方で、否定的な意見としては次のような回答があります。

・やっぱりSUVは、ガソリンがいいです!野生的なクルマは、ガソリンでないと!

・セダン乗りの自分としては最近SUVばっかりだからつまらないです。

・SUVは時代の流れ的にしょうがないと思いますが、やっぱりガソリン臭さがあった方がいいですね。

・SUVのスタイルが流行るだけなら良いですが、実用性を考えるとEV化は不要だと思います。

・選択肢が増えるのはいいことです。ただ、オフロードがあるような地方に行けば行くほど給電スタンドに困るのも事実なので、SUVとEVの相性が良いかは微妙ではないでしょうか。

※ ※ ※

 また、SUV以外でEV化してほしいタイプとしては次のような回答がありました。

・SUVよりもコンパクトカーサイズのEVを希望します。

・これから色々なタイプのクルマがEVやFCVなどになっていくのだろうけれど、ミニバンタイプが出るまで様子見ですね。

・ミニバンやコンパクトカーのEVを期待したいです。

・スポーツタイプのEVが欲しいです。

・何でもかんでもSUVにする風潮はやめてほしいところ。セダンでやってほしいです。

※ ※ ※

 このように、流行りのSUVと発展性のあるEVの組み合わせに関しては賛否両論あるようですが、さまざまなEVが登場することで、EVに対する理解度は高まっているようです。

 一方で、2020年12月にトヨタは近距離移動をメインとした超小型EV「C+pod」を発売。

 現時点ではEV普及に向けて検討を進めてきた法人ユーザーや自治体などを対象に限定販売ですが、2022年を目途に個人向けの販売を開始する計画だといいます。

 同様の近距離移動をメインとしたモデルとしては、出光興産とタジマモーターが開発を進める超小型EVなども存在。

 また、佐川急便はASF株式会社が中国で生産をおこなう軽EVを既存の軽自動車7200台と置き換える計画です。

 これらのように、近距離移動や商用用途ではさまざまなEVが登場し、一般的な乗用車とは異なる展開となっています。

 今後、どのようなタイプのEVが登場するのか、EV市場の発展が期待されます。

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