FF化直前のモデルがカッコイイ! シリーズ最後の高性能FRセダン5選
最初で最後だった日産のFRセダンとは?
●トヨタ「TE71型 カローラ1600GT」
1966年にトヨタは新世代の大衆車として初代「カローラ」を発売し、大ヒットを記録。その後は高性能化のニーズが高まり、1972年には1.6リッター直列4気筒DOHC「2T-G型」エンジンを搭載した初代「カローラレビン/スプリンタートレノ」が登場。
この2T-G型エンジンはレビン/トレノだけでなく、1979年に発売された4代目では3ドアリフトバック、2ドアハードトップ、4ドアセダンの「1600GT」グレード(TE71型)にも搭載。
なかでもセダンのGTは直線基調のボディに、丸目4灯のフロントフェイスとブラックアウトしたバンパー、そしてフロントグリル中央にGTのエンブレムが装着され、高性能モデルであることをアピールします。
電子制御燃料噴射装置が採用された「2T-GEU型」DOHCエンジンは最高出力115馬力を発揮。
1983年にはレビン/トレノ以外のモデルはFF化され、TE71型が最後のスポーティFRセダンとなってしまいました。
●日産「セフィーロ」
日産は1980年代にセダンラインナップの拡充を図り、1988年に「ローレル」や「スカイライン」と主要なコンポーネンツを共有するFRモデルの初代「セフィーロ」を発売。
糸井重里氏による「くうねるあそぶ」の個性的なキャッチコピーや、歌手の井上陽水氏を起用した「みなさんお元気ですか」のTVCMも大いに話題となりました。
ボディタイプはセダンのみで、外観はCピラーを寝かしたスタイリッシュなクーペフォルムに、プロジェクターヘッドライトや薄型異型ヘッドライトを採用したフロントフェイスが印象的です。
また、初代セフィーロの販売には新たな試みが導入され、エンジン3種類と、サスペンション3種類による9種類の組み合わせに、車体色と室内色の組み合せも選べる「セフィーロコーディネーション」と呼ばれるセミオーダープランが用意されていました。
たとえばスポーツドライビングに適したモデルとして、最高出力205馬力を発揮する2リッター直列6気筒DOHCターボエンジン「RB20DET型」に、トランスミッションは5速MT、足まわりはフロントがストラット、リアがマルチリンクのサスペンションには4輪操舵の「HICAS-II」が選択できコンフォートな仕様と合わせて幅広い層から支持を得ます。
その後、1994年に2代目が登場するとFF化され、初代セフィーロは最初で最後のFRだったことから、生産中止後に中古車人気が高くなる現象が起きました。
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かつてはマツダ4代目「ファミリア」や、トヨタ2代目「スターレット」など、2BOXのコンパクトカーでもFRのモデルが存在しました。
また、軽乗用車の三菱「ミニカ」は4代目までFRで、マツダ「シャンテ」もFRとされるなど、意外とFRは小型モデルにも採用されていました。
当然ながらその後は小型のFR車が淘汰されましたが、1980年代くらいまでは今では考えられないような個性的なクルマが多かったといえます。
余談だけど、実はこの時代はディーゼルも盛んでブルーバードならLD20とターボのLD20Tとか、ジェミニもフローリアンを期にディーゼルが復活した時代でしたね。
良き時代と言うか?松竹の寅さんシリーズでも20前後の1作品はISUZU自動車の協力で117やジェミニが出演してますしねw