クルマの「ヘッドライトワイパー」なぜ無くなった? 噴射式に変わった背景とは
ヘッドライトワイパーは、かつて欧州車を中心に装着されていることが多かった装備です。すっかり見なくなってしまったヘッドライトワイパーは、なぜ消えてしまったのでしょうか。
ヘッドライトワイパーが消えた!その理由とは?
かつて欧州車を中心に装着されていることが多かった「ヘッドライトワイパー」。最近の新型モデルには採用するケースが少ないようです。
なぜ、ヘッドライトワイパーの採用は減りつつあるのでしょうか。
ヘッドライトにワイパーが採用されているモデルとしては、メルセデス・ベンツやボルボなどの欧州車に見られます。
海外の地域によっては、街灯が極端に少ない薄暗い道を走行する機会が多く、夜道でライトに虫が付着することや、降雪地域でヘッドライトに付着した雪を取り除くといった効果がありました。
ヘッドライトワイパーを世界で初めて採用したのは、1972年に発売されたメルセデス・ベンツの初代「Sクラス(W116)」だといわれています。
当時のヘッドライトは、ヘッドライトカバーがガラス素材だったことやバルブがハロゲン仕様であったため、現在よりも光量が少ないという事情がありました。
その後、技術向上により「ハロゲンバルブ」から「キセノンヘッドライト(HIDヘッドライト)」、最近では「LEDヘッドライト」へと移り変わることとなります。
加えて、カバー素材もガラスから透明度の高いプラスチック素材などへと変わり、当時の数倍の明るさを確保できるようになったことや、空力やデザインといった観点からもヘッドライトワイパーの装着が見られなくなったようです。
一方のキセノンやLEDはハロゲンと比べて熱を発生させにくいため、バルブ点灯時でも雪をとかすことが難しくなったこともあり、最近ではウォッシャー液を噴射させる「ヘッドライトウォッシャー」が主流となっています。
主に欧州車で採用されることが多いですが、国産車ではマツダ「CX-5」やスバル「フォレスター」、スズキ「ジムニー」などで採用されています。
ワイパーからウォッシャーに変わった背景について、ボルボ販売店の担当者は次のように話します。
「ヘッドライトに付着した泥汚れや雪を取り除くために装着されていたヘッドライトワイパーは、ヘッドライトウォッシャーが普及したことで姿を消しました。
昔は、ワイパーでヘッドライトのレンズの汚れや雪を取り払っていましたが、今ではヘッドライトウォッシャーの水圧で汚れや雪を取り除く構造へ変わっています。
ただし日本では、ヘッドライトウォッシャーやヘッドライトワイパーを使う場面はほとんどないでしょう。
ヘッドライトワイパーが装着されているクルマを大切に乗られているお客さまのなかには、一度も動かしたことがないという人もいらっしゃいます」
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日本において降雪地域に出向いてもあまり使用する機会がないヘッドライトウォッシャーですが、アウドドアニーズが高まっていることもあり、未舗装路などを走る人などは使い方を覚えておく必要があるかもしれません。
ヘッドライトウォッシャーは、マニュアルを見て試しに作動させた以外、使ったことありません。
既にヘッドライトウォッシャーも
年々装着車が減って来てますよ。
車外突起物の基準照らし合わせるともう付けられないのでは。対人傷害軽減採ると無理でしょう。
しかも樹脂製のヘッドライトではあっという間にキズだらけになるから。
この記事、1箇所間違いがあります。欧州でヘッドライトウォッシャーが装備された理由は、キセノンなどの高光量前照灯を装着した車はレンズの汚れでの乱反射による対向車等への光の異常拡散を防止するためヘッドライトの洗浄装置の装着が義務付けられたためです。
そのコメントも大きな間違いですよ。
80年代初頭には、欧州では既にヘッドライトウォッシャーは義務化してますから。
高光量ヘッドライトに義務化したのはあと付け理由です。
日本車でも80年代のECE指令により、欧州向けはヘッドライトウォッシャーを装着してますから。
国内専売モデルでも、商品力向上と銘打って装備することがありました。
例えば、角目4灯になった117クーペ後期型とかです。