ジツは「GT-R」だけじゃない! 日産が誇るスーパーマシン5選

レーステクノロジーを余すこと無く投入した2台のコンプリートカーとは?

●NISMO 400R

ハードなチューニングが施されつつ爪を隠していた「NISMO 400R」
ハードなチューニングが施されつつ爪を隠していた「NISMO 400R」

 1995年に発売された「R33型スカイラインGT-R」をベースに、1996年にニスモから販売されたコンプリートカーが「NISMO 400R」です。

 車名の400Rは、搭載された「RB-X GT2型」エンジンが、最高出力400馬力を発揮することに由来。

 エンジンはベースの2.6リッター直列6気筒ツインターボ「RB26DETT型」の排気量をアップして2.8リッターとし、専用の鍛造ピストン、コンロッド、クランクシャフトや、N1用ターボチャージャー、強化エンジンブロック、燃焼室形状が最適化されたシリンダーヘッド、専用プログラムのECUなどを搭載。

 なお、RB-X GT2型は中低速域のトルクアップを重視したセッティングとなっており、本来の実力は400馬力以上だったといわれています。

 外観は専用デザインの各エアロパーツとボンネットに加え、全幅が50mm拡大されるオーバーフェンダーを装着。軽量化とともに迫力あるリアビューを演出するチタン製マフラーも、400R専用に開発されました。

 足まわりやブレーキ、ホイールなどは市販のニスモ製スカイラインGT-R用パーツが組み込まれていましたが、十分なパフォーマンスを発揮。

 NISMO 400Rの当時の価格は1200万円(消費税含まず)と、ノーマルよりも約700万円も高額でしたが、チューニングの内容やニスモ謹製という信頼性を考えると妥当な価格といえるでしょう。

 なお、NISMO 400Rは99台限定で販売を予定していましたが、実際にデリバリーされたのは50台前後といわれています。

●フェアレディZ Version NISMO Type 380RS

レースベース仕様を公道向けに仕立てた「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS」
レースベース仕様を公道向けに仕立てた「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS」

 日産を代表するスポーツカーであるフェアレディZは1969年に誕生しましたが、2000年に4代目をもって系譜は途絶えてしまいました。しかし、2002年に5代目として復活し、現在に至ります。

 5代目フェアレディZは自然吸気ながら280馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒「VQ35DE型」エンジンを搭載。

 自然吸気エンジンの特徴であるレスポンスの良さや、アクセルペダルを踏みこんだ瞬間から大排気量車ならではの強烈かつリニアな加速が楽しめる、上質なスポーツカーに仕立てられていました。

 また、外観は初代に原点回帰したロングノーズ・ショートデッキのスタイルで、歴代モデルにあった4シーターは廃止され、2シーターのみです。

 その後、改良とともにバリエーションの拡充がおこなわれ、2007年にはニスモの手によって開発された「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS」が300台限定で発売されました。

 この380RSは、スーパー耐久参戦用ホモロゲーションモデルの「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS-Competition」を公道仕様にモデファイしたものです。

 エンジンは「VQ35HR型」をベースに排気量を3.8リッターにアップして最高出力350馬力を発揮。専用の鍛造ピストンに、強化素材のコンロッド、クランクシャフト、専用プロフィールのカムシャフトなどを搭載するなど、まさにレーシングエンジンのデチューン版という内容となっています。

 一方で、380RSの外観は同じくニスモが開発した「Version NISMO」と同様な仕様なため、特別なモデルながらエンブレム以外に主張していません。

 なお、当時の価格は539万7000円(消費税5%込)と、比較的リーズナブルでした。

※ ※ ※

 2020年にはGT-Rベースのスーパーマシン「GT-R50 by イタルデザイン」が発表されるなど話題は尽きませんが、前述のとおりGT-Rは日産車のなかでもかなりロングセラーなモデルです。

 現行モデルのZ34型フェアレディZも12年超のロングセラーですが近日中に新型が登場する予定で、もはやGT-Rのみがロングセラーとなってしまいます。

 走行性能的には今もGT-Rはトップクラスといっても過言ではありませんが、安全性能や環境性能については時代に取り残された感が否めません。

 もはやスーパーカーといえども安全性能や環境性能の向上は世界的にも必須ですから、今後のGT-Rの去就についても注目されそうです。

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