【元祖・世界一美しいクーペ】BMW「M6」は次に値上がり必至の優良物件か!?

E30型「M3」に比べれば、手が届きやすい「M6」の落札価格

 E24型M6の販売台数は、アメリカでは1767台、日本では164台といわれている。この台数は、633CSiや635CSiと比べると、はるかに希少といっていいだろう。

 このE24型M6が、RMサザビーズオークションに2台登場したので、世界のオークション・マーケットでM6がどのような扱いを受けているのかを調査してみよう。

●1988 BMW「M6」

約600万円で落札されたBMW「M6」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
約600万円で落札されたBMW「M6」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 シナバーレッドも鮮やかな個体は、パシフィック・コースト・ハイウェイ・コレクションから出品されたものだ。純正の電動スライドルーフを装備し、本革シート仕様となっている。

 この個体は1988年式で、前席には電動調整機構も備わっている。オーディオのヘッドユニットは、いまはなきオーディオメーカーのナカミチ製。トランクルームにはJLオーディオのパワーアンプも搭載されていて、1988モデルにのみ装備されていた後席の独立エアコンも完動品となっている。

 内外装の状態は、コレクションからの出品ということもあって、非常によい。走行距離は6万3000マイル強(約10万km)だが、内装の状態はその距離を感じさせないもので、BBS製のホイールもキズなどがなく使用感はあまりない。

 純正のファーストエイドキットやツールキットも付属していることも含めてオークションでの評価は高く、5万5000ドル(約600万円)での落札となった。

約500万円で落札されたBMW「M6」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
約500万円で落札されたBMW「M6」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 もう1台のM6も、同じく1988年モデルである。こちらはある家族が21年間所有したのち、ふたりのオーナーを経てRMサザビーズオークションに出品されることになった。

 走行距離は約6万6000マイル(約10万5000km)。ブラックのボディカラーとブラックレザーの内装をもち、電動スライドルーフも装備している。

 前述の赤いボディカラーのM6との違いは、オーディオが純正カセットテープ仕様であることと、ファーストエイドキットがない、ということくらいだが、こちらは4万5100ドル(約500万円)での落札となっている。

 この100万円の違いは、コレクションからの出品と個人からの出品というところと、ボディカラーの違いにあるのかもしれない。

 E24型M6と同時代にラインナップされたE30型「M3」の中古車価格に比べると、新車当時1300万円ほどであったM6の落札価格は、ジリジリと値上がりしているとはいえ、まだバーゲンプライスといっていい範囲だ。今後、その価値がさらに見直されるかもしれないので、いま手に入れておくというのも賢い選択といえるだろう。

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