ちょっと無理をしてでも手に入れた? 日本で一世を風靡した「外車」5選

「外車」普及に絶大な貢献をした2台のドイツ車とは?

●BMW「3シリーズ」

日本におけるBMW車普及に多大な貢献をした「3シリーズ」
日本におけるBMW車普及に多大な貢献をした「3シリーズ」

 1982年に欧州で発売された2代目「3シリーズ」はバブル期の日本で大ヒットし、「六本木のカローラ」という有名なフレーズを残したほどです。

 2代目3シリーズは1983年から日本に正規輸入され、ボディタイプは2ドアセダンと4ドアセダンを基本とし、後に「カブリオレ」やステーションワゴンの「ツーリング」、少量ですがキャビンの上部と後部がオープンとなる「バウアトップカブリオレ」をラインナップ。また、派生車として高性能な「M3」が誕生しています。

 ボディサイズは全長4325mm×全幅1645mm×全高1380mm(4ドアセダン)と現在の水準からするとかなりコンパクトで、2リッター未満のエンジンならば5ナンバー登録だったということもあり、それも人気を博した理由のひとつでしょう。

 スペック的は同クラスの国産車と大きな差はありませんでしたが価値は100万円以上も高く、好景気を背景にステータスシンボルという観点から若年層を中心に人気を博します。

 また、円高という背景から大量の並行輸入車も日本に上陸しており、正規輸入にこだわらない層のニーズに応えていました。

 バブル崩壊によって3シリーズのブームは一過性のものに終わりましたが、BMWが日本のマーケットを重要視するきっかけになったのではないでしょうか。

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●メルセデス・ベンツ「190シリーズ」

エントリーモデルながらデザインや走りが高く評価された「190シリーズ」
エントリーモデルながらデザインや走りが高く評価された「190シリーズ」

 かつてメルセデス・ベンツのクルマというと、日本だけでなく世界各国のセレブやVIPが愛用する高級車の代名詞でした。

 一方で、さらなる顧客拡大という目的から、前出の3シリーズを追従するエントリーモデルを開発。それが1982年に誕生した「190シリーズ」です。

 190シリーズは当時の同社ラインナップのなかでは、もっともコンパクトなエントリーモデルであり、日本では1985年から正規輸入され販売を開始。

 初期のスタンダードグレードである「190E」では、ボディサイズが全長4420mm×全幅1678mm×全高1390mm、エンジンは最高出力115馬力の2リッター直列4気筒を搭載したことで5ナンバー登録でした。

 当時は、まだ3ナンバー車の自動車税が3リッター以下で8万1500円と非常に高額だったことから、5ナンバーの190Eの登場は大いに歓迎され、500万円前後と高額ながら一躍ヒット作となります。

 やはりメルセデス・ベンツというステータスは大いに魅力的だったのか、セレブのセカンドカーとしてだけでなく、中流意識の高まりから多少無理をしてでも手に入れたいというユーザーも数多く存在しました。

 また、品質や走行フィーリングは同クラスの国産車よりも高く評価され、エントリーモデルといえどもクルマづくりに妥協が無かったのも人気となった要因のひとつではないでしょうか。

 平成になると円高傾向がより顕著になったことや物品税の廃止などを受け、300万円台の廉価グレードが追加されるとさらに販売台数を伸ばしました。

 190シリーズは日本におけるメルセデス・ベンツ車の普及に貢献し、同社のイメージを変えたエポックメイキングなモデルといえます。

※ ※ ※

 今回、紹介したクルマのなかでも850や2代目3シリーズ、190シリーズは今も走る姿を目撃することがあります。むしろ後継モデルよりも多いのではと思ってしまうほどです。

 850と車格が近いボルボV60や、現行モデルの3シリーズ、Cクラスは、どれも正常進化したクルマといえますが、前述のネオクラシックモデルは今も色褪せない魅力があり、ファンを魅了し続けています。

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Writer: くるまのニュース編集部

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