新型「ヴェゼル」よりスタイリッシュな中古レンジローバー「イヴォーク」を狙え!【中古知新】

「イヴォーク」狙うなら3ドア、もしくはコンバーチブル

 イヴォークは乗ってみた印象も見た目のとおりで、ベースのフリーランダー2よりずっとスポーティなものになっている。とくに初期モデルが搭載するフォード製2リッター4気筒ターボ・エンジンは、最高出力240ps、最大トルク34.7kgmと比較的パワフルな上に、車両重量もボンネットやテールゲートをアルミ化していて3ドアで170kg、5ドアで140kgもフリーランダー2より軽いから、はるかに軽快で俊敏だった。

●より軽快でスポーティな3ドア

「イヴォーク」を選ぶなら、クーペの3ドアが味わってもらいたい
「イヴォーク」を選ぶなら、クーペの3ドアが味わってもらいたい

 ユーズド・カー市場では、使い勝手のいい5ドアの方が圧倒的に多く流通しており、3ドアのタマ数は全体の約7%と、非常に少ない。しかも、そのほとんどは上位グレードの「ダイナミック」が占めている。

 ホイールは標準が17インチだが、市場に流通する多くの個体はオプションの19ないしは20インチを履いており、さらに電子制御式の減衰力可変ダンパーも装備していることが多い。

 もともと初期のイヴォークは路面の凹凸を拾いやすく、大径ホイールを履いているとさらに足まわりがバタつく傾向がある。登場してから時間が経っているから、万一交換ともなればコストも跳ね上がる。中古車として狙うなら17インチや機械式のダンパーを装着したエントリー・グレードの「ピュア」を探したいところだが、ことイヴォークに関しては、それは少々野暮というものかもしれない。

 だってこれは見た目に惚れて買う、いわば伊達グルマである。スタイリングを重視した結果生まれたネガティブな面は、丁寧に手が加えられてはいるけれど、これはカタチに惚れて買うクルマだ。ならばやはり狙うべきは3ドアだろう。

 ちなみにイヴォークは2019年に2代目へと進化したが、5ドアのみとなり、3ドアは廃止になってしまった。とはいえ、今のところプレミアが付くほど高騰はしてないようだ。

 ボディカラーはライム・グリーンなど、明るく、キャビン部分やタイヤまわりとのコントラストが強いものをお薦めしたい。目立つのがイヤだとか、実用性云々をいうなら、5ドアのイヴォークよりも、いっそフリーランダー2の方が、はるかにお得で使いやすいことも付け加えておこう。

●大穴の1台。それがコンバーチブル

「イヴォーク」の大本命といえるのが、オープンモデルの「イヴォーク・コンバーチブル」だ
「イヴォーク」の大本命といえるのが、オープンモデルの「イヴォーク・コンバーチブル」だ

 最後に、ヴェゼルにもHR-Vにもない、イヴォークだけが選べる大穴的な選択肢をひとつ、紹介しておこう。予算的には新型ヴェゼルと競合するどころか、中古車市場では倍以上のプライスが付いているので、あくまで大穴である。

 実は初代イヴォークにはオープン・バージョンのコンバーチブルがあるのだ。一見3ドアの屋根をソフトトップ化しただけのように見えるが、実は幌の傾き具合は3ドアの屋根よりずっとなだらかで、リアのガラス部分もひとまわり大きくなっている。

 後席は3ドアのように3人掛けではなく、専用の2人掛けになっており、Bピラーがなくなったこともあって、左右方向の視界も意外と開けている。だから実は後席の居住性だけなら、コンバーチブルは3ドアより優れている。

 乗り込んでみると、傾きが強く頭上までフロント・ウインドウの後端が視界を遮ってしまう前席より、風じまいが優秀で解放感が抜群な後席は、イヴォーク・コンバーチブルのいちばんの特等席である。

 車体剛性を確保するため床下に構造材を加えているため車重が200kg以上増加していることや、荷室の開口部が、かつてのゴルフ・カブリオレのようにものすごく狭いのは難点だが、2代目のイヴォークに3ドアの設定がない以上、今後コンバーチブルが登場する可能性は限りなく低い。

 これぞデザイン・コンシャスなSUVの極みといえる1台だと、僕は思う。

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