レクサスが「LF-Z」で電動化宣言!? スピンドルボディ採用の新型SUV発表の狙いとは
LF-ZはフラッグシップSUVとして投入される!?
パワートレインは前後に独立したモーター(システム出力は400ps/700Nm)が搭載され、前後の駆動力を自在に制御することでFF/FR/AWDと走行シーンに応じた駆動力を提供するとともに、人の感性に寄り添った車両姿勢のコントロールを可能にする四輪駆動力制御技術「DIRECT4」が採用されています。
筆者(山本シンヤ)はレクサス「ES」がベースのDIRECT4のテストカー(フロント:HVシステム/リア:モーター)に試乗したことがありますが、開発途中ということでフィーリング面では荒削りな所はあったものの、セダンながらスポーツカー顔負けのキレのある痛快なハンドリングに加えて、駆動方式の概念が変わる不思議な乗り味に驚きました。
さらにLF-Zエレクトリファイドにはステアバイワイヤが採用されています。ステアリング形状から予測するとロックtoロックはかなり小さい感じがしますが、DIRECT4との協調制御によってどのような走りを実現しているのか気になるところです。
プラットフォームはレクサス エレクトリファイドで目指す「車両基本性能の大幅な進化」の実現のためにEV専用を新規開発し、バッテリーやモーターの最適配置による理想的な慣性諸元を実現ました。
車両フロア下へ搭載されるバッテリーは90kWh(航続距離は600km)と大容量ですが、車両重量は2100kgに収められているのはEV専用プラットフォームが大きく貢献しているのはいうまでもないでしょう。
レクサスは今後、2025年までにワールドワイドで10以上のEV/PHV/HVなどの電動車を含む、約20車種以上の新型車や改良モデルを投入すると発表しています。
これらのモデルにLF-Zエレクトリファイドに採用されたデザイン/技術を適材適所で展開していくことになるのでしょう。
なお、2021年には2台の新型車が発表予定となっています。ちなみにレクサスラインナップのなかでモデルライフが長いのは「CT」と「NX」、そしてLXですが、一体どのモデルが登場するのでしょうか。
さらに筆者が気になっているのは、LF-Zエレクトリファイド自体について。単なるコンセプトカーなのか、それとも将来登場予定のモデルなのかという部分です。
現行モデルのラインナップを見ると、セダン系のフラッグシップは「LS」、クーペ系のフラッグシップは「LC」ですが、SUV系のフラッグシップはというと、LS/LCと同列のモデルは存在しません。
「LXがそれに値するのでは?」という人もいますが、クロスオーバーというよりはリアルオフローダーに属するモデルです。
となると、ピュアEVであるかどうかは置いておいて、「RX」の上に位置するクロスオーバー系フラッグシップと考えるのが素直ではないかなと思っています。
ちなみに日本で「RZ450e」というネーミングが商標出願されています。「LF-Z」と「RZ450e」、どちらも「Z」が共通しているのは偶然ではないような気がしています。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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