最近の車は柔らかい? 洗車でうっかりボディが歪む!? ヘコませないための注意点

ボディのどんな部分がヘコみやすい?

 それでは、どんな部分がヘコみやすいのか、また、修復できるのか、注意点などをについてもF氏に説明してもらいました。

●フロントバンパー&リアバンパー

 技術の進化もあって、現在のバンパーは素材がかなり薄くなっています。またバンパーをボディに固定するためのステーやブラケットもプラスチックが多く、ちょっとした荷重でもゆがみやすいです。

 社外品のリップスポイラーも意外に重く、フロントバンパーが前下がりになってしまうこともあります。

 ヘコみやゆがみは見た目こそ修復できますが、衝撃吸収能力が低下する恐れもあるので、足をかけたり座ったりしてヘコみを作らないようにしてください。

ボンネットなどの扱いに注意
ボンネットなどの扱いに注意

●サイドシル

 サイドシルとは、ドアを開けたときに見える敷居のような部分です。ロゴなどが入っている「スカッフプレート」の周辺のボディの一部のことを指します。

 洗車時に屋根などを洗ったり拭き上げたりするときについ乗りたくなる部分ですが、ボディパネルほどではないにしても衝撃吸収という点からかなり強度が弱くなっています。

 踏んだ瞬間にペコっとヘコんでしまうこともありますので、洗車はもちろん、乗り降りのときにも踏まないようにしたほうがいいです。

●ボンネット

 ボンネットも以前と比べたらかなり柔らかくなっています。ボンネットを閉めるとき、最後に力を加えて押し込む人がいますが、それでヘコませてしまうことも多いです。

 ボンネットを閉める場合は、30cm程度の高さからさっと手を放してボンネットの重みで閉める方法をおすすめします。

●フェンダー

 フェンダーというよりも、フェンダーをボディの骨格部分に取り付けるブラケットが柔らかいケースが多いです。一般的にはボルトやナットで固定されていますが、穴の部分から割れてしまったり、ズレてしまうことも多い部分です。

 同じように、ほかのパーツも取り付け部分の強度がかなりもろくなっていますので、ちょっとした衝撃でもズレるかもしれません。

 だからといって力づくで戻そうとすると余計に壊れる可能性もあるので注意が必要です。

●ルーフサイドモール

 ルーフ部分とドアの間にあるサイドパネルの上部の部分のことで、ここがもっとも厄介なパーツです。

 洗車時や乗り降りなどでも手をつきやすい部分ですが、ガソリンスタンドの店員がうっかり手をついてヘコませてしまうこともあります。

 また修復が非常に難しい部分ですので、あまり力を加えないでください。

●ヘッドライトユニット

 ユニット自体の強度はあっても、問題なのは取り付けられるステーがかなり柔らかいので注意が必要です。

 このステーは、手で押すだけでもグラグラするほど強度がない車種もありますし、変な力がかかるとユニットごとズレてしまうことも。

 ユニットの位置だけでなく光軸までズレてしまうので、扱いには注意したい部分です。

※ ※ ※

 ヘコみを修復する方法はいくつかあるのですが、安価で手頃なのが「デントリペア」と呼ばれる工法です。

 専用器具を用いて裏側からヘコみを引っ張り出すリペア方法で、小さく浅いヘコみだと再塗装の必要もないことから手軽な修理方として普及していますが、この方法が使えない部分も多いようです。

「手軽なイメージのデントリペアですが、専用器具が入るスペースがない部分などは使用できません。

 ヘコみにパテをのせて修復する方法もありますが、盛れてもせいぜい1cm程度の厚みまでしか直せません。

 大きく深いヘコみでなくても、場所によってはさらに大掛かりなリペアが必要になることもあります。

 とくにルーフのプレスラインより側面にあるルーフサイドモールは専用器具を差し込むスペースもなく、最近ではカーテンエアバッグなども仕込まれているため、デントリペアでは修復しにくいだといえます」

 では、このようなヘコみを作らないためにすべき対処法はあるのでしょうか。

「あまり神経質になる必要はありませんが、重い荷物を積み込むときや乗車時には、バンパーやサイドシルなどに荷重をかけないことです。

 そして、ボンネットは押し込んで閉めない、ボディに寄りかかったり、ルーフに直接重いものを載せないのはもちろん、洗車時もあまり手をつかずにちゃんと脚立などを使いましょう」

※ ※ ※

 いざというとき乗員も歩行者も被害を減らすために潰れる構造になっている衝撃吸収構造のボディですが、その半面、ヘコみやすくなっているようです。

 しかも一度変形したボディパネルは修復できても硬化が避けられず、その後は期待通りの衝撃吸収能力が発揮できなくなることもありますから、ボディに無駄な荷重をかけないようにしましょう。

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