名前がバラバラな車の安全装備はなぜ存在? 装着率100%なのに名称統一されない事例も

クルマの安全装備にはさまざまなものがありますが、メーカーごとに名称が統一されていない機能もあるといいます。いったいどんな事例があるのでしょうか。

「横滑り防止装置」でもメーカーによって名称に違いが

 近年、クルマの安全装備に対する関心が高まってきており、各自動車メーカーはさまざまなシステムを搭載し、衝突被害軽減ブレーキも含めて安全装備の標準化も進んでいる状況です。

 車種ごとの安全装備の有無を比較して、できればより装備が充実した車種を選びたいというのが多くのユーザーの願いですが、装備によってはメーカーごとにシステム名称がバラバラで分かりにくい場合があるといいます。

 いったいどのような状況なのでしょうか。

クルマの絵の下に2本の波線があるイラストの部分が横滑り防止装置オフのスイッチ(写真は日産「キックス」)
クルマの絵の下に2本の波線があるイラストの部分が横滑り防止装置オフのスイッチ(写真は日産「キックス」)

 例えば、滑りやすい路面などでクルマの動きが不安定になったときにブレーキやエンジン出力を制御して安定させる「横滑り防止装置」を見ると、トヨタは「VSC(ビークルスタビリティコントロール)」、日産やスバルは「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」、マツダは「DSC(ダイナミックスタビリティコントロールシステム)」と異なります。

 2021年現在、横滑り防止装置は日本で新車装着が義務化されている装備ですが、名称が統一されていない状況になっています。

 名称が統一されていない要因としては、商標登録上の問題や機能の細かな違いなどがあるといわれており、統一は難しそうです。

 また、新車への標準装着が進んだ衝突被害軽減ブレーキを含む予防安全装備の名称も、各社で差があります。

 各社の事例を見ると、トヨタは「トヨタセーフティセンス」、スバルは「アイサイト」、マツダは「i-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)」という商標で展開。

 これらは複数の予防安全機能をまとめた総称であり、そのなかのひとつとして衝突被害軽減ブレーキ(トヨタの例:プリクラッシュセーフティ)がある状況ですが、日産は衝突被害軽減ブレーキを「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」という名称で呼ぶという違いがあります。

 新車選びをする過程で予防安全装備について分からないことがあったら、販売店スタッフに詳細について素直に聞くのが良いでしょう。

 それではここでクイズです。

 前述のトヨタセーフティセンスやアイサイトのような予防安全装備群として、ホンダが展開しているシステム名は次のうちどれでしょうか。

【1】G-VECTARING

【2】ホンダセーフティシステム

【3】G-CON

【4】ホンダセンシング

※ ※ ※

 正解は【4】の「ホンダセンシング」です。

 ホンダセンシングは、衝突被害軽減ブレーキ(ホンダの例:CMBS)をはじめとした11の機能で構成されます(装備の数は車種によって異なります)。

 2021年3月5日には、ホンダセンシングの名称を冠したレベル3の自動運転を実現するシステム「ホンダセンシングエリート」を搭載した新型「レジェンド」が発売され、話題となりました。

※クイズの出典元:くるまマイスター検定

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