21世紀に登場したのにシンプル過ぎ? いろいろな理由で簡素な車3選
昭和の時代にはエアコンやパワーステアリング、パワーウインドウなどがオプションであったり、そもそも設定されていないクルマはたくさんありました。一方で、割と最近に発売されたモデルでも比較的簡素なモデルが存在。そこで、さまざまな理由でシンプルなクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
装備が簡素だけど好感が持てるクルマを振り返る
現在販売中の乗用車では、比較的安価なモデルでも快適装備や安全装備が充実しています。一方で、昭和の時代のクルマは、エアコンやパワーステアリング、パワーウインドウなどはオプションとなっていたり、そもそも設定されていないモデルも数多く存在していました。
実際にそうした装備は高額だったことから装備しないことで車両価格を抑えていましたが、近年は製造コストも安くなったことから、乗用車ならばひととおり装備しています。
そもそもいくら安価な車両価格でも、もはやエアコンやパワーステアリングが付いていなければ競争力は無い時代だといえます。
しかし、21世紀に発売されたクルマのなかでも、さまざまな理由で簡素な装備のモデルが存在。そこで、比較的最近のモデルでもシンプルなクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●MUJIカー1000
余計な加飾を廃してシンプルなデザインをコンセプトとした生活雑貨や日用品が高く支持され、近年は衣類や食料品も人気となっている店舗といえば「無印良品」です。
2004年からは「無印良品の家」を販売するなど話題となり、取り扱う商品も拡大してきましたが、かつて、無印良品がクルマの販売をおこなっていたのはあまり知られていません。
それが、2001年に発売された「MUJIカー1000」です。
MUJIカー1000は日産との協業で開発されたモデルで、2代目「マーチ」の3ドアハッチバック/1リッターエンジン車をベースに製作。
購入希望は無印良品のホームページを通じて受け付け、1000台の限定販売となっており、通常の日産車と同じく納車は日産ディーラーの店舗でおこなわれ、保証や整備も日産車に準じていました。
外観はマーブルホワイトの専用ボディカラー1色のみで、塗装されていない素地のバンパー、専用デザインのフロントグリル、ブラックの電動格納式ドアミラー、スチールホイールなど、無印良品が販売する商品と同様のシンプルさをコンセプトとしたデザインとなっています。
また、装備はオーディオ、マニュアルエアコン、両席エアバッグなど必要最低限ものが搭載されていながら、価格は93万円(消費税含まず)と安価に設定。
さらに、MUJIカー1000の売買契約が成立すると、無印良品オリジナルの14型折りたたみ自転車がプレゼントされる特典が用意されるなど、かなりお買い得なモデルでした。
なお、無印良品のクルマはこのMUJIカー1000以降、現在まで新たに企画されていません。
●トヨタ「86 RC」
2012年に、スバルとトヨタが共同開発したFRのコンパクトクーペ、トヨタ「86」、スバル「BRZ」が発売されました。
どちらのモデルも外装デザイン以外の基本的な部分は共通で、外観はやや長めのフロントノーズにショートデッキと正統派FRスポーツカーのフォルムに、ボリューム感のある前後フェンダーやシャープなフロントマスクが特徴的です。
エンジンは最高出力207馬力(MT車)とパワフルな2リッター水平対向4気筒DOHC自然吸気を搭載し、サスペンションはフロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンを採用して優れたコーナーリング性能を発揮するなど、発売と同時に人気となります。
そして、発売当初、86にはモータースポーツベース車である「86 RC」がラインナップされました。
レース用に仕立てることを前提にエアコン、スピーカー、カップホルダー、バニティミラーなど、競技に必要ないものは省かれ、さらに未塗装のバンパーを装着し、ホイールもスチール製となっています。
価格は199万円(消費税8%込)とかなり安価でしたが、エアコンはオプションでも設定されず、普段使いは想定していないストイックなモデルです。
現在、86 RCはラインナップされていませんが、すでに生産を終えたBRZには最後までモータースポーツベース車の「RA Racing」が設定され、ロールケージやオイルクーラー、4点式シートベルトなど競技に必要なものを標準装備。マニュアルエアコンも搭載しており、普段使いも可能でした。
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