ドレスアップか性能アップか? 昭和のエアロパーツ車5選
時代の流れに乗って進化したエアロパーツ車とは
●ホンダ「シティ ターボII」
ホンダは初代「シビック」に代わるエントリーモデルとして、1981年に初代「シティ」を発売。
シティはそれまでのコンパクトカーの概念を覆したデザインで、全高を高くするとともに極端なショートノーズを採用し、広い室内空間を実現したコンセプトがユーザーに受け入れられ、大ヒットを記録しました。
1982年にはターボ化の波に乗って、最高出力100馬力(グロス)の1.2リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した「シティ ターボ」が登場。
さらに1983年にはシティターボのエンジンにインタークーラーを追加した「シティ ターボII」が発売され、1.2リッターエンジンは最高出力110馬力(グロス)まで高められました。
外観もハイパワーなエンジンにふさわしく、パワーバルジ付きボンネットや、スポイラー形状の前後バンパーが装着され、もっとも特徴的だったのがトレッドを拡大してブリスターフェンダーを採用したことです。
当時は規制が緩和されたとはいえ、前述のレビン/トレノのような後付けのオーバーフェンダーが認可されることが難しく、フェンダー自体を膨らませたブリスターフェンダーがトレッドを拡大するモデルの主流となっていきましたが、シティ ターボIIは国産車では先駆けです。
まさに「ブルドッグ」という愛称にふさわしく、シティ ターボIIは迫力あるボディとなっていました。
●三菱「ミラージュ サイボーグ 16V-T セダン」
1978年に発売された三菱初代「ミラージュ」は同社初のFF車であり、コンパクトなサイズながら広い室内と欧州テイストのスタイリッシュな外観で、ライバルよりも後発ながらヒット作となりました。
そして1982年にはクラス初のターボエンジンを搭載した「ミラージュIIターボ」が登場し、コンパクトカーの高性能化をけん引します。
その後ミラージュは代を重ね、1987年に3代目がデビュー。ボディは3ドアハッチバックと4ドアセダンが設定されました。
トップグレードには1.6リッター直列4気筒DOHCターボエンジン「4G61型」を搭載。最高出力145馬力を誇るスポーティモデル「サイボーグ 16V-T」がハッチバック/セダンともにラインナップされます。
さらに1989年のマイナーチェンジでは最高出力160馬力までパワーアップされ、ハイパワーな2WD/4WD車として一時代を築きました。
サイボーグの外観ではハッチバック専用にリアゲート中央へスポイラーが装着されたのが斬新で、さらにセダンでは小ぶりながらウイングタイプのリアスポイラーが装着されました。
まだ派手さはありませんが、支柱が2本あって両端がボディに接していない、紛れもなくウイングと呼べるものでした。
そして、平成になるとリアスポイラーはより高い位置へと上がっていき、レーシングカーに近いウイングへと進化していきました。
※ ※ ※
レビン/トレノにも装着されたリベット留めのオーバーフェンダーについてですが、1973年に登場したBMW「2002ターボ」にも装着されていました。
輸入車でオーバーフェンダーは非常に珍しかったのですが、この2002ターボは日本に輸入される際に運輸省の指導によって、オーバーフェンダーの継ぎ目をパテ埋めする必要があったという逸話が残っています。
ボディと一体化することでフェンダーの一部に改められ、輸入が認められたという今では考えられないような時代でした。
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