日産やVW,ルノーにプジョー! なぜブランドロゴを新しく変更? その理由とは
重要なのは根底にあるスピリットを継承すること
しかし、そうした各社の都合とはまた別の大きな特徴がある。それがデザインだ。
今回の変更されたロゴは、すべて「フラットデザイン」と呼ばれるものであったのだ。
フラットデザインとは何かといえば、文字どおりに平坦な2次元のデザインを指す。もともとは2012年ごろからIT系で流行り出している。具体的にいえば、「Windows8」や「iOS7」がフラットデザインを採用したことで、一気に広がり出した。
平坦でシンプルなフラットデザインは、それだけを見ると、微妙にもの足りない気分もしてくる。しかし、このデザインはIT的に大きなメリットを有していた。それが小さく表示されても、認識しやすい点だ。
これが、パソコンからスマートフォンなど、さまざまなデバイスに表示されるWEBデザインには、まさにうってつけであったのだ。
立体感があり、細かなディティールや陰影を持つロゴは、小さく表示されたり、横長や縦長など、さまざまな表示方法のなかできれいに見せることが難しい。一方、フラットデザインのロゴであれば、小さな表示でもきれいに見えて認識されやすい。
つまり、今回の各社のロゴ変更は、パソコンからスマートフォンなど、さまざまなデバイスで視聴されるWEB媒体で認識されやすくするためというのが狙いであったのだ。実際にBMWは、新しいロゴは「WEBサイトでのコミュニケーションに限定する。実車のロゴは従来のまま」としている。
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振り返ってみれば、自動車メーカーのロゴは、時代時代にあわせて変化してきている。
不変のように感じるメルセデス・ベンツでさえ、時代によってスリーポインテッドスターの表示は微妙に変化しているのだ。
約60年ぶりの変更となるGMも、それ以前には何度もロゴを変更している。ただし、重要なのは、その根底にあるスピリットをしっかりと継承していることだ。
日産の場合は、創業者の鮎川義介氏の「至誠天日を貫く(強い信念があれば太陽も貫く)」という言葉がある。丸い太陽に横に貫く日産の文字は誠実さを表しているという。そうした基本は、日産の新しいロゴにも継承されている。だからこそ、新たなロゴを見ても、誰もがすぐに日産だと認識できるのだ。
今回のブランドロゴの変更は、それぞれのブランドロゴにどんな意味が込められているのかを再認識する機会にもなる。ぜひともチェックするとよいだろう。
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