「ワゴニア」に「ハマー」「ブロンコ」…消えたアメ車の名前が続々と復活する理由とは
2021年3月11日、新型「Jeep Wagoneer(ワゴニア)」と新型「Jeep Grand Wagoneer(グランドワゴニア)」が世界初公開された。30年ぶりに復活した車名だが、2020年7月にはフォード「ブロンコ」が24年ぶりに、同年10月にはGMC「ハマー」が10年ぶりに復活している。なぜこのところ、アメリカンSUVで懐かしい車名が蘇っているのだろうか。
「昔の名前で出ています」復活したアメリカ車の車名
2021年3月11日、新型「Jeep Wagoneer(ワゴニア)」と新型「Jeep Grand Wagoneer(グランドワゴニア)」が世界初公開された。
2021年後半からアメリカ国内で販売されるワゴニア/グランドワゴニア。この車名は、1991年にグランドワゴニアが生産終了されてから、30年ぶりとなる復活になった。
それだけではない。2020年7月、フォードは1996年に生産を終了していたSUV「ブロンコ」の復活を発表、このモデルはすでに生産が開始されている。また同年10月、GMCから「ハマーEV」も発表され、2021年内の販売を予定している。
このように、相次ぐ昔の名前の復活。そこには、どのような理由があるのだろうか。
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まず、話題の3台はどのようなクルマなのだろうか。そこから説明していこう。
ワゴニアの歴史は古く、初代は1962年に登場した。このモデルはオートマチックトランスミッションが組み合わされた最初の4WD車で、近代的なSUVのパイオニアとして知られている。
また1984年にはロングボディのグランドワゴニアがデビュー。このモデルは本革シートやエアコン、ステレオラジオなどを装備し、現代に続くプレミアムSUVの原点とも呼ばれている。
フォード・ブロンコは、1966年に誕生し、1996年まで生産されていたSUVだ。
初代モデルのライバルは、民生クロカンの祖といえる「ジープ」。その後もブロンコは、2ドア+荷室という質実剛健な本格派として代を重ねていた。そして、24年ぶりの復活となる新型も、その内容は本格派のオフローダー。タフな4WDとして再デビューを果たす。
ハマーは、アメリカ軍の軍用4輪駆動車「ハンヴィー」をルーツに持つ大型SUVだ。
1992年に実際の軍用車の民生版として「H1」の名称で販売が開始され、1999年より「ハマー・H1」と名称を変更。2002年より乗用SUVベースに代替わりし(ハマー・H2)、2006年にハマー・H3が登場し、2010年に生産が終了となる。軍用車をルーツにするだけあって、その強面のルックスが最大の特徴であった。
そんなハマーがEVとなって復活した。発売は2021年後半を予定している。
プレミアムSUV、本格クロカン、強面のEVという、どれも個性の強い3台。コロナ禍で意気消沈するアメリカ自動車業界としては、明るいニュースとなることだろう。
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そんな3台のように、生産終了となっていた旧型モデルの名称が新型で再び採用される、こうした“昔の名前で出ています”という復活劇は、今回の3台にとどまらず、じつは広く世界中で見られる光景だ。
日本でいえば、ダイハツの軽自動車「タフト」やコンパクトSUVの日産「キックス」、ダイハツ「ロッキー」も、すべて復活した名称だ。
ダイハツ・タフトは、1984年に生産終了。日産・キックスは、2008年から2012年に生産されていた軽自動車。またダイハツ・ロッキーも、2002年に生産終了となっていたSUVだった。
さらにいえば、過去2、3年の話題のクルマにも、そうした復活の名称が数多く存在する。トヨタの「スープラ」、ホンダの「インサイト」もそうである。海外ブランドでいえば、2019年に誕生したランドローバーの新型「ディフェンダー」も、3年の生産終了期間を挟んでの復活となる。
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