歴代でもっとも美しい? 日産「Z32型フェアレディZ」は高性能なだけじゃない!

280馬力自主規制のきっかけとなったVG30DETT型エンジン

 Z32型フェアレディZは内外装のみならず、シャシやエンジンも一新されました。

 サスペンションは前後マルチリンク式とされ、ターボ車にはスーパーHICAS(電子制御式4WS)を搭載。ここにもMID-4で開発された技術が生かされました。

 また、225/50R16サイズのタイヤや前後大径のベンチレーテッドディスクの採用により、高いコーナリング性能を実現。

ほぼ最終型のZ32型フェアレディZ バージョンR 2by2
ほぼ最終型のZ32型フェアレディZ バージョンR 2by2

 そして、Z32型フェアレディZ最大のトピックスはエンジンにあり、トップグレードには1988年に発売された「セドリックシーマ/グロリアシーマ」に搭載されていた、3リッターV型6気筒DOHCターボエンジンをベースにツインターボ化した「VG30DETT型」を採用。これもMID-4譲りです。

 最高出力280馬力を誇り、これがきっかけで国産車は280馬力を上限とする自主規制が2004年まで続くことになります。

 なお、自然吸気モデルに搭載された「VG30DE型」でも230馬力と、十分に高出力でした。

 トランスミッションはターボ/自然吸気モデルともに5速MTと4速ATが設定され、ターボモデルはAT車でも強烈な加速力が味わえました。

 また、高速道路での追越し加速は非常にダイナミックなもので、欧州ではポルシェやフェラーリのモデルと対等とも評されます。

 その後、Z32型フェアレディZは、改良とバリエーションの拡充が図られました。

 1992年にはシリーズ初となるソフトトップのオープンモデル「フェアレディZ コンバーチブル」が登場。乗員の後方にはロールフープが設置されていますが、開放感はTバールーフの比ではありません。

 そして、よりスポーティな「バージョンS」「バージョンR」が発売されるなど、進化していきます。

 しかし、日産の経営悪化により1999年3月にルノー傘下となり、翌2000年12月にZ32型フェアレディZは生産を終了。一旦、フェアレディZの系譜は途絶えることになります。

※ ※ ※

 2002年にフェアレディZは復活を果たし、現行モデルまで繋がりますが、やはりZ32型の存在は歴代でも強く印象に残っています。

 とくに外観の均整のとれた美しさは、日米だけでなく欧州でも高く評価されたほどです。

 歴代のフェアレディZはどれもすばらしいクルマですが、バブル景気という背景から誕生したZ32型が、大きな転換期となったのは間違いないでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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