最後にひと花咲かせるか? モデル末期に登場した魅力的な限定車5選

かつて、国産車モデルライフは4年といわれていましたが、近年は6年から8年が標準的で、なかには10年もフルモデルチェンジしない車種も珍しくありません。そうしてモデル末期になると、特別仕様車や限定モデルが登場しますが、なかには大いに魅力的なモデルも存在。そこで、モデル末期に登場した逸品といえる限定車を、5車種ピックアップして紹介します。

有終の美を飾った限定車を振り返る

 昭和の時代はフルモデルチェンジするタイミング、いわゆるクルマのモデルライフは、国産車では4年が一般的でした。しかし、近年は6年から8年とモデルライフは長くなる傾向にあり、なかには10年以上もフルモデルチェンジしないモデルも珍しくありません。

モデル末期に登場した魅力あふれる限定モデルたち
モデル末期に登場した魅力あふれる限定モデルたち

 モデルライフ末期になると販売台数は低下していきますが、メーカーもなるべく多くの台数を売りたいということで、装備を充実して価格を抑えた特別仕様車や限定車を販売するのが通例です。

 そこで、モデル末期に登場した魅力的な限定車を、5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「86 GT“BLACK LIMITED”」

「AE86型トレノ」の限定車をオマージュした「86 GT“BLACK LIMITED”」
「AE86型トレノ」の限定車をオマージュした「86 GT“BLACK LIMITED”」

 2012年、トヨタとスバルの共同開発によってトヨタ「86」とスバル「BRZ」がデビューしました。外観はやや長めのフロントノーズにショートデッキと、正統派FRクーペのフォルムで、ボリューム感のある前後フェンダーにシャープなフロントマスクが特徴的です。

 2020年11月に2代目となる新型BRZの北米仕様が発表されましたが、86はいまだに新型についてアナウンスされていません。しかし、すでに86の受注は終了しているとされ、新型の登場も秒読み段階と目されています。

 2020年3月には、トヨタは86の特別仕様車「GT“BLACK LIMITED”」を発表。限定台数はMT車、AT車それぞれ43台の合計86台とアナウンスされました。

 GT“BLACK LIMITED”はGTグレードをベースに、「AE86型 スプリンタートレノ」の最後を飾った特別仕様車の「GT APEX“ブラックリミテッド”」をオマージュしています。

 外観はクリスタルブラックシリカの専用ボディカラーにブロンズカラーホイールで、より精悍さがアップ。

 さらに内装はブラックに統一し、助手席前のインネルには専用ロゴ“BLACK LIMITED”をあしらったブロンズカラーの刺繍が施され、本革とアルカンターラを組み合わせたシート表皮を採用し、スエード調のメーターバイザーとするなど、特別感と上質感ある雰囲気を演出しています。

 86 GT“BLACK LIMITED”は、当然ながら申し込みが多数あったため、抽選での販売となりました。

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●スバル「S402」

4代目「レガシィ」の性能を突き詰めたコンプリートカー「S402」
4代目「レガシィ」の性能を突き詰めたコンプリートカー「S402」

 すでにスバルの国内ラインナップから消えてしまった「レガシィB4/ツーリングワゴン」ですが、大きな転換期となったモデルといえば2003年に登場した4代目といわれています。

 4代目ではボディがシリーズ初の3ナンバー専用サイズとなり、スポーティさだけでなく上質さもアップ。さらに等長等爆エキゾーストシステムの採用で、いわゆる「ボクサーサウンド」からの脱却も果たしました。

 この4代目は2009年に5代目へとモデルチェンジしましたが、その直前の2008年5月に4代目レガシィをベースにしたコンプリートカーの「S402」が発売されました。

 S402を開発したのはスバルのモータースポーツ活動を支えてきた「STI(スバルテクニカインターナショナル)」で、STIが考える「究極のグランドツーリングカー」として限定402台を販売。

 B4、ツーリングワゴンそれぞれをベースに、エンジンは海外仕様の2.5リッター水平対向4気筒ターボをチューニングし、専用のツインスクロールターボチャージャーに換装。その結果、最高出力は285馬力まで高められました。

 外観では左右20mmずつ拡幅した専用のフロントフェンダーをはじめ、ドライカーボン製フロントアンダースカート、BBS製18インチ鍛造アルミホイールなどを採用。

 ほかにも減衰特性を変更したビルシュタイン製サスペンションや、ブレンボ製フロント対向6ポット/リヤ対向2ポットブレーキキャリパーなどのパーツが奢られています。

 ボディ、シャシ、エンジンと総合的にチューンナップされたS402は、まさに4代目レガシィの集大成といえるモデルです。

●マツダ「RX-7 スピリットR」

「RX-7」のポテンシャルを最大限に高めた最後の限定車「スピリットR」
「RX-7」のポテンシャルを最大限に高めた最後の限定車「スピリットR」

 1991年、マツダは究極のロータリースポーツとしてアンフィニ「RX-7」を発売。古典的なイメージと新しさが融合した流麗なフォルムに255馬力のロータリーターボを搭載し、一躍人気となりました。

 しかし、排出ガス規制の強化もあって、2002年に生産を終了。その直前となる2002年4月に限定モデルの「スピリットR」が登場しました。

 スピリットRは2シーター5速MT仕様の「タイプA」、4シーター5速MT仕様の「タイプB」、4シーター4速AT仕様の「タイプC」の3仕様が用意され、BBS製17インチホイール、レッド塗装ブレーキキャリパー、専用のソフト塗装インテリアパネルなど共通の内外装を採用。

 なかでもタイプAは、2シーター化とレカロ製専用フルバケットシートにより車重を約10kg軽量化し、さらにドリルドタイプ大径4輪ベンチレーティッドディスクブレーキ、高剛性ステンレスメッシュブレーキホースの採用により、制動性能を一層強化したことで、シリーズ最上となる走りの性能を実現。

 まさに、最後の限定車にふさわしい究極のRX-7がスピリットRです。

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  1. RX-7のフロントマスクは品がある

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