ありえない魔改造! ベントレーV8を搭載したポルシェ「911」とは

ベントレーV8を搭載したポルシェ「911」の正体は?

 話を戻すが、もちろん、ポルシェのボディにそのまま、ベントレーのV8エンジンを搭載するのは不可能だ。なにしろポルシェのエンジンは、リアマウントである。

 そのためこのクルマは、フレームからすべてをオリジナルで製作。サスペンションもフロントは、ピロボールジョイントを採用したアームを組み合わせた、ダブルウイッシュボーン式とし、リアはリジッドとなっている。

●1995 ベントレー/ポルシェ「ターボ 2シーター スペシャル」

ベントレー「ミュルザンヌ ターボ」で使用されていたV型8気筒エンジン(C)Bonhams 2001-2021
ベントレー「ミュルザンヌ ターボ」で使用されていたV型8気筒エンジン(C)Bonhams 2001-2021

 コックピットも軽量化を考えた、簡素なつくりだ。

 フルバケットシートはアルミ材で成形されていて、おそらくはベントレーのオートマチックミッションを使っているために、ペダルはふたつのみ。

 ブレーキペダルは、これもおそらくだが、チルトン社製のオルガン式を採用している。

 メーター類はすべてセンターコンソールに装備されているが、速度と水温、油圧、燃料計という4つのみが配されている。その下には5つのトグルスイッチが並ぶが、もっとも右がヘッドライト、左から2番目は送風というのはわかるが、あとは不明だ。

 もちろんこのクルマは、公道を走るためのものではない。あくまで私有地で楽しむためのものだ。

 高等裁判所からの命令でオークションへの出品となっていることから、所有者に金銭トラブルがあったということが想像できるが、それ以上の経緯も不明。現在入札中で、予想落札価格は5000−1万ポンド(邦貨換算約75万円−150万円)となっている。

 公道を走れないということが、オークション価格に影響を与えてしまいそうだが、ホットロッド好きならば注目すべきワンオフ製作の個体であることには間違いがないだろう。

 ここから、さらなるカスタムを加えていくためのベース車としての購入意義もありそうだ。

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